検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:70,840 hit

sugar×37 ページ38





「いやぁ、にしても俺今日いいもの見れちゃったなぁ。あの志麻様が人間のためにわざわざ姿を化かしてまで助けに行ってしかも感情的にまでなっちゃって」

「…なんのこと?」

「とぼけなくてもいいのに。まーしぃあの娘に情でも移っちゃってんでしょ?」


腕を後ろに組んで「かぁわい」なんて馬鹿にしてるような感じでせせら笑うものだから俺は空を切るように蹴りを横から思い切り繰り出した。

けれどそれも「おっと」と縄跳びを飛ぶくらい軽く容易に避けられ綺麗な着地を決めた。



「それ以上口開いたらなぶり殺す」

「あらぁ図星だったの?…まぁ別に深入りする話じゃないし。それに俺には今頃お家で俺の帰りを待ってくれてる可愛いお姉さんがいるからさ」


心配しないでよ、とその場から足を浮かせ手を口にあてながらクスクスと笑っていた。嫉妬をしとるとでも思われたのかやはり悪魔の癖で人の弱みに漬け込んで馬鹿にしてくる

……いや別に嫉妬とかしとらん。ただ変に胸の辺りの気分が悪いだけやし。

ゆらりゆらりと尻尾を揺らして浮かび上がりながらその場を離れようとうらたさんは月を見上げた。


「じゃあそろそろ俺は行こっかなぁ。なんだか今のまーしぃ気分がよろしくないようだし」

「ほとんどてめぇのせいだわ」

「いやんこわぁい」


演技ぶった声でニヒルに笑い俺から逃げるかのように地面から離れていく。


「…あとまーしぃに一つ忠告」


何かを思い出したのか振り返りこちらにまた戻ってきた。忠告と言われても心当たりもないから無駄に身構えする無い。

…けどなんだか、妙に嫌な予感がする。




「__人間の娘にをするならそれ相応の覚悟を背負っておかないと守りたいものも守れないよ」




その日に見えたのは孤月の光を浴びて影を差すうらたさんの眉を下げて少し困った笑顔を浮かべるような胸糞悪い表情だった。



sugar×38→←sugar×36



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (94 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
184人がお気に入り
設定タグ:志麻 , 歌い手
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夜紅茶(プロフ) - ちょこさん» コメントありがとうございます!続編を希望していただきありがたいです!一応こぼれ話としてなにか書けないか検討してみます! (2022年4月2日 11時) (レス) id: 2017f33955 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2022年2月21日 4時) (レス) @page50 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - さざんかさん» コメントしていただきありがとうございます!今後も作品を見守っていただければ幸いです! (2020年4月13日 9時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 普段全く他の方の作品にコメントする事はないのですが、この作品は本当にドストライクなので初コメ失礼致します…!完結おめでとうございます!悪魔と天使のお話も凄く深いなと思いました。。伏線も凄く気になります…!今作品関連作品が出たらまた読ませて頂きます!! (2020年4月13日 2時) (レス) id: 63429259c8 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - コメント、評価をしていただきありがとうございます!ご期待に添えるよう努力していく次第なのでよろしくお願いします! (2020年4月3日 22時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ヨル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qZN5vxyJ6V2/  
作成日時:2020年2月24日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。