Demons Lock【志麻】

sugar×36 ページ37

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「こんな時間に人間の格好でお月見とか随分なロマンチストになったの？まーしぃも丸くなったってことか」

「…黙れ」

「ホント“容姿だけは”いい癖してるのに中身は不器用で残酷な思考回路だよね」


ふふって笑いながらわざとらしく言葉を一部強調しながら言ってきたものだから俺は素早く立ち上がり拳を前に突き出した。

けれどそれは余裕で避けられて道にコツン、と地面に足を付けてから中性的な顔で一際小さな身長なことを利用し俺を下から見上げる。

コイツもコイツで憎たらしい性格の部分は俺に負けず劣らずってとこ。


「同業者同士の争いなんか俺見たくないなぁ。だって何も面白くないし得るものだって何も無いからつまんないじゃん？」

「同感だわ。ましてやさっき隠れて人の話を勝手に聞くなんて真似しちゃってくれてるやん＿＿なぁうらたさん？」


うらたさん基うらたぬき。普段なら自身の肩に一匹の狸を乗っけて契約者の女を上手いこと利用して自分の欲を満たす俺と同じ悪魔。

ホントこんな時間からめんどくせぇ奴が来たなぁ。


「ふぅん、気づいてたの？でも俺がいたのはたまたまだよ。“俺はね”」


Aの学校に自分がいたことは偶然だとうらたさんは言いたいらしい。他の奴もあの場所にいたとなると絶対“アイツ”しかいない。

けれども相変わらず趣味の悪い。反吐が出そうなくらい不愉快だ。


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