素敵な恋の見つけ方 -2-

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「ちょっ！Aさんっ！俺っ！気づいてよ」

「えっ？！ごっ……ごめんっ！暗くてよく見えてなかった……玉森くん、こんなところで何してるの？」

「ちょっと彼氏っぽくなかった？会社の前で彼女待つ彼氏みたいな」

「そんな冗談言ってるとさくらが怒るわよ？」

ズキンと痛む胸を無視して言い返す

「………さくらさん？なんで？Aさん、聞いてないの？」

「何が……？聞かなくても分かるよ、こないだ2人で一緒に歩いてたじゃない」

「違うよ……だから………。ねぇ、Aさん………今日ちょっとおかしくない？俺…またなんかやっちゃった？目も全然合わないし、会社先に行こうとするし……」

「何言ってんの！おかしくないよ！大丈夫！玉森くんは何も悪いことしてないし、目もちゃんと合わせてるよ！ほらね！」

バッチリ視線が合うとそれだけで
一瞬、世界が止まった

「………………/////」

(やばいっ………)

真っ赤になった顔を見られたくなくて
慌てて視線をそらす

「………Aさん…………」

「なんかお腹空いちゃったから先に帰るわね！」

話の先を聞くことなく駆け出した
バレたら終わる……何もかも……
お隣さんの関係もさくらとの友情も

「待ってって！」

グイっと引っ張られて立ち止まる

「………」

「Aさん……俺のこと避けないで……近づき過ぎたなら距離感気をつけるし、他にも嫌なことがあるなら直すから………お願い」

「…………玉森くんは何も悪くないよ……私の心が追いついてないだけ………」

「Aさんってさ、いつもそうだよね……自分で壁作ってこれ以上入ってくるなって顔して……今まで俺なりに歩み寄ろうとしてきたけど迷惑？……迷惑ならはっきり言ってよ……もうやめるから」

(本音を言ってしまえば、やめて欲しくない……でも、このままじゃさくらのことも傷つけてしまう……)

「…………ごめん」

「………分かった。今まで、追いかけ回したりしてごめん……もうしないから」


うつむいて歩いていく
玉森くんの後ろ姿を見つめながら

この先、今日の事を
死ぬほど後悔するんだろうなぁと思った………



明日からはもう
私にちょっかいかけてくる玉森くんはいない………

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