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「あれっ?Aちゃんじゃん!どこ行くの?食堂?」
風に吹かれて雨に降られたのか
ボロボロの傘を持って
ビショビショの玉森さん………
「えっ?!…大丈夫ですか?」
首にかけていたタオルで腕を拭くと
とても冷たかった……
「玉森さん…身体すごく冷えてる……早くお風呂はいってください!」
背中を押すと
「うん……そんで、Aちゃんはどこ行くの?」
なかなか動こうとしない玉森さん
「ニカちゃんの部屋です!美味しいカップ麺があるから一緒に食べようって」
早口で説明すると
「はっ?ニカの部屋?なんで?………Aちゃん、男の部屋に行くってどーゆーことか分かってる?」
急に不機嫌な様子の玉森さんは
私の腕を掴んで歩き出した
「えっ?ちょっ………」
ズンズン歩く玉森さん……
ニカちゃんの部屋の前に着いた
"ドンドンドン!!!"
ドアを叩きながら大声で叫ぶ
「おいっ!ニカ!!!」
「あっ……ちょっ……!!!」
もう私にこの勢いは止められない
「………はい」
玉森さんの顔を見るなり怪訝そうな顔をする
ニカちゃん………
「タマ?………なに?」
「いや、なにじゃねーから!お前、Aちゃん部屋に誘ってんじゃねーよ!しょうがないから俺が一緒に来ましたーニカおすすめの美味しいカップ麺?ご馳走してくださーい」
雨に濡れてベタベタのまま現れた玉森さんに
困惑するニカちゃん………
「……………マジか………」
「いいから、早くシャワー浴びてくださいっ!風邪ひいちゃう!!!」
叫ぶ私に注目する2人
「………そーゆーことね」
状況をなんとなく理解した様子のニカちゃんは
「もう3人なら食堂で食おう
取り敢えず、タマはシャワー浴びてこれば?」
ニカちゃんをにらみつけている玉森さんの背中を
押して部屋へと戻そうとするも
動かない玉森さん………
玉「Aちゃん、ニカの部屋に行っちゃダメだからね!ホント俺がいなかったら襲われてたかもしれないんだからね!」
二「おいっ!人聞き悪いな」
玉「じゃぁ、どういうつもりだったんですかー?」
「はいっ!そこまでー!!!私たち、食堂にいますから早くシャワー浴びてください」
やっと部屋に戻った玉森さんを見送って
ニカちゃんと食堂に降りると
ちょうどオーナーさんから解放された
千ちゃんとすれ違った
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横尾渉 - 面白いです。続き待ってます! (2018年9月12日 16時) (レス) id: 0c3559fc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆり | 作成日時:2018年8月11日 0時