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「私……おじさんとおばさんに育てられたんです………」
虐待されていたこと、公園に住んでいたこと
引き取られてからも容姿がトラウマであること
初めて自分のことを他人に話す
それはやっぱり怖くて……
「私………初めて自分のこと話しました………他のみんなには黙っててもらえませんか?」
そうお願いすると
「今までよく頑張ったね………俺にもAちゃん
が抱えてるもの一緒に背負わせて……もちろん誰にも言わない………もし、こないだみたいに辛い時はすぐに俺を呼んで……必ず助けに行くから」
そう言って頭を撫でてくれた藤ヶ谷さん………
勇気を出して話してよかった………
心からそう思えた
「じゃぁ、そろそろ俺は行こうかな…今日から仕事だし」
「私も今日から仕事なんです!」
時計を確認して席を立った
部屋に戻ってスーツを着るとすぐに
駅へと出発する
職場は電車で15分もかからない場所だ……
「初めての出勤日に二日酔いって………」
改めて反省しながら改札を抜けて
会社へと向かう
「………ここか………」
おばさんの紹介で入れてもらった出版社
ほとんどお茶入れ要員の雑用でも
お給料がもらえるならありがたい話だ
受付で手続きをして担当の人がいる階へと向かい
エレベーターの扉が開くと
目の前には忙しそうに走り回る人たち………
「どの人だろう………」
誰かに声をかけようとしても
みんな忙しそうで声をかけづらい
「あのっ………」
少し大きな声を出すと男の人が振り向いた
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横尾渉 - 面白いです。続き待ってます! (2018年9月12日 16時) (レス) id: 0c3559fc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆり | 作成日時:2018年8月11日 0時