白雪姫と7人の恋人たち 1 (ページ25)

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少し歩いて市内に入ると急にお店が増える

「なんか、いい匂いしません？あっ！あのパン屋さんだ！」

玉「あそこのパン屋さん、美味しいよ
俺はクロワッサンがオススメ！」

藤「あっ！Aちゃん！あの雑貨屋さんかわいいものたくさんあるよ」

いつのまにか2人にはさまれながら
お店を見て歩く

「あっ、俺ちょっとあの店に取り置きしてもらってるやつあるんだった…すぐ終わるから待ってて」

急に走り出した玉森さんに
ポツンと取り残される私たち…………

「じゃぁ、あのお店で待ってよっか」

テラス席のあるカフェを指差して
藤ヶ谷さんがニコッと笑った

「わぁ、オシャレ………」

田舎者の私には全部がキラキラして見えて
眼に映るもの全てが新鮮だ
キョロキョロする私の手を
当たり前かのようにギュッと握って
藤ヶ谷さんが歩き出した

「えっ………？…///あのっ…///藤ヶ谷さん…///」

「あっ、コッチね！」

戸惑う私の手を握りなおしてニコッと笑う

(………そうじゃなくて………ただ握り方変えただけじゃないですか………///
都会の男の人はみんな当たり前のように手をつなぐの…？…///)

顔を真っ赤にして藤ヶ谷さんの後について行った

ドリンクを頼んでテラス席に座ると
玉森さんが入っていったお店がよく見える
お店の中で店員さんと楽しそうに話す姿が見えた

「………タマのこと気になる？」

「………えっ？」

視線を戻すとジッと私を見つめる藤ヶ谷さん……

「気になるというか、あのお店で何を買ったのかなーと思って…」

「……そーじゃなくてさ………その……タマのこと………」