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3人で呑み始めて散々仕事の話をすると
北山さんが席を外した
「北山と食事した事、玉知ってんの？」
藤ヶ谷さんが耳元でこそっとささやいた
「知らないですよ……さっき本当にたまたま会っただけですし……」
「Aちゃん……玉が何してるか分かんなくて不安なのは分かるけど、Aちゃんも玉のこと不安にさせちゃダメなんじゃないかな……ごめん……なんか玉のフォローみたいになってるけど……Aちゃんが北山に戻るならそれはそれで応援するし……」
「………そうですよね……私、心のどこかで北山さんに甘えちゃってたのかもしれないです……1ヶ月ちゃんと待つって決めたから……玉森くんの事信じなきゃ…」
時計を見るとまだ電車もある時間……
北山さんが戻ってくるのを待って先に帰る事にした
「私、この辺でお先に失礼しますね！」
「えっ？もう？ってか、俺送るよ！藤ヶ谷いい？」
「いやいや、大丈夫です！まだ早い時間だし、お二人でゆっくりしてくださいっ！明日、お休みですし、ねっ！」
私が止めるのも聞かず、気づけば結局
北山さんとタクシーの中………
「すいません……まだ飲み足りなかったですよね？」
「いや、全然いいよ！俺、明日も仕事だし……一件だけ土曜じゃないとダメなとこあるからさ」
今日だけは……
と強引にタクシー代を払わせてもらって
車を降りると北山さんにこないだのお礼を言った
「こないだタクシー代、ありがとうございました……お礼、言いそびれちゃって……」
「そんなの全然大丈夫だよ！………あのさ……もし、玉と……その………」
「Aさん？」
スーツ姿で眉間にしわを寄せて
こちらに向かってくる玉森くん………
北山さんと一緒のところを見られた気まずさで
変な汗が出る
「北山さん？………お疲れ様です………なんでここに？Aさんに何か用事ですか？」
やたら冷静な玉森くんに心臓が音を立てる
「べつに……藤ヶ谷と3人で呑んでたから送ってきただけ。玉ちゃん……どこで何やってるか知らないけど 俺、Aちゃんの事あきらめてないから……玉ちゃんが宣戦布告してきたように俺も宣言する！盗られても文句言うなよ」
「はあ？」
言うだけ言って北山さんは背を向けて歩いて行った
残された私たちは唖然とする
「なんだあれっ！Aさん、早く中入ろっ！」
不機嫌そうな玉森くんは私の手を引いて
マンションへと歩いた
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作者名：ゆり | 作成日時：2019年4月29日 16時
