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全身の力が一気に抜けたように倒れ込んだ。
ベッドのスプリングの音が鈍く響く。

前の家からそのまま持ってきたベッドだから、
慣れ親しんだこの感触に、ようやく心が安らいだ。


これから一体どうなっちゃうんだろう。

室内に積み重なった段ボールたちが目に入って
本日何度目かのため息をついた。

とりあえず、片付けないと。


床に座り込み、手近にあった一つを手繰り寄せる。

乱雑にガムテープを剥がし取り、
中から取り出した愛用の抱き枕をギュッと抱き締めた。


視線のその先、この部屋の左隣は平野くんの部屋だ。


そういった情報には疎い私でさえ
名前を知っているような学校の有名人。

クラスはもちろん別々で。

同じ学年だけど階が違うから
廊下ですれ違うことも少ない。


たまに女の子たちに囲まれている彼の姿を見かけても
『あれが噂の平野くん』なんて思うだけだったからなあ。






___コンコン



不意に響いたノックの音にハッと我に返る。




「開けてもいい?」

『あ、うん。大丈夫です』




ドアから顔を覗かせる平野くん。

気づかないうちにあれから随分と時間が経っていたようで
全くと言っていいほど片付いていない私の部屋を
見渡した彼は苦笑いを浮かべた。




「そろそろごはんにしようかなーと思ったんやけど、
俺が作ろうか?」

『あ、もうそんな時間・・・。料理出来るの?』

「簡単なやつだけやけど、
買い物してくるからちょっと待っててな」

『うん、有難う。・・・いってらっしゃい』




私の言葉に元から大きな目を更にぱちくりとさせた彼は、
「あー・・・」と小さく声を漏らしながら口元を抑えた。




「なんかええな。
Aにいってらっしゃいって言われるの」




そう嬉しそうに微笑まれて、堪らず目を逸らす。

いつの間にか当たり前のように
私のことを名前で呼ぶ平野くん。


彼は絶対人たらしだ。




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設定キーワード:平野紫耀 , 永瀬廉 , キンプリ   
作品ジャンル:恋愛
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めう(プロフ) - 以前このお話どこかでありました??どちらにせよ、面白いです* (4月16日 19時) (レス) id: 733504ff46 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - すごく良いです!!続き待ってます!!! (4月12日 1時) (レス) id: 99d28834b3 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - とってもきゅんきゅんします!!続きが待ち遠しいです! (4月9日 2時) (レス) id: 1850937699 (このIDを非表示/違反報告)
aitan0331(プロフ) - 更新されたって通知は来るのに見れない(*_*)なぜでしょう(*_*) (4月1日 14時) (レス) id: 4eb8ffcb00 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - すごくキュンキュンしました!!最高です!更新楽しみです(*゚▽゚*) (3月24日 19時) (レス) id: 44463b91ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚夏 | 作成日時:2019年3月18日 15時

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