金魚鉢。 (ページ7)

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７─JMN side─ ページ7

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初めて朝霧さんと会ったあの日から、

どうしてもあの時、
一瞬見せた寂しそうな顔が忘れられなくて
何度も彼女を部屋へと呼んだ。

結局、欲に負けて２日、３日と抱いて
しまうだけだったけれど、
今日は絶対に話しをしてみたいと思い、
マネヒョンに頼んで手配して貰った。

今宵も変わらぬ優しげな微笑みを浮かべて
部屋へとやって来た彼女に、食事を勧め
話すきっかけを作った。

きっと、何か深い事情があってこんな仕事をしているんだろう。

毎晩抱いてしまっている俺が
言えた事じゃないけれど
普通、“好きな人”にしか
抱かれたくないはずなんだ。

だから俺に力になれることがあれば、助けてあげたい。

そんな気持ちで思い切って聞いてみたら、

必要としてくれている人が居るからだ、

なんて、ぐうの音も出ないような返しを
された挙げ句、
あろう事か逆に質問されてしまった。

なぜアイドルをしているのか？…と。

「えっと..僕は、」

そう俺が言い掛けた時だった。

トントンッ！トントントンッ！
／
ジミナァ～♪
＼

テヒョンアの声だ。

スタッフ言ってないのかよ。

朝霧さんに待っててと伝えドアの方へ向かう。

「おーテヒョンア、今人と会ってる。何？」
TH『知ってる、だから来た♪』

「いや、意味が分からない。部屋戻りなよ。」
TH『うん、顔見たらすぐ帰るって♪』

「はぁ？！」
TH『いいからいいからっ！♪』

追い返すはずが、結局テヒョンアの勢いに負けて部屋へと入られてしまう。

TH『へぇ～、確かに綺麗な人だね♪あ、僕はキムテヒョンです！よろしく～♪』

『あ、初めまして、私は朝霧と申します、』

TH『あさぎりぃ？、あさぎりちゃん？言いにくいんだけど、それほんとのなまえ？♪』

『えっ..あー、』

「おい！、朝霧さん困ってるでしょ？！」

TH『えー？、僕もＶとキムテヒョンだもん。いーじゃん教えて？♪』

『...あー、A、です。』

は？、うそ？

TH『へぇ～！そっちの方が似合ってるよ！Aちゃんっ♪』

なんて、朝霧さんから意図も簡単に
本名を聞き出したテヒョンアに、

なんだかモヤモヤした気持ちを覚える。

『似合ってるも何も、それが名前ですし。』

TH『ねぇ、ジミナも思うでしょ？♪』

「う、うん！俺ちょっと飲み物買ってくるね(苦笑)」

なんとなくそこに居るのが気まずくて
２人を残してホテル内のコンビニへと
向かった。