金魚鉢。 (ページ45)

今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:54,547 hit

４５ページ45

──────────…

─────…

１人の天使が、
小さな天使に目線を合わせ言う。

『あぁ、チンチャキヨプタ…』

YR『んん？なぁーに？ママのおともだち？』

『..うん、僕はジミンだよ。』

YR『じみん？ママー！！ママのお友達のジミンが居るよー？♪』

そう言って振ったユラと同時に、
再び重なる視線。

YR『ママ？なんで泣いてるの？ジミンきらいなおともだちなの？』

私が泣いている事に気付いたユラが
私の元へ戻ってくる。

もう一度視線をジミナに向ければ、
“大丈夫だよ”って顔をして頷くから...

「...うぅん、きらいじゃ、ないよ？」

YR『じゃあなんで泣いてるのぉ？』

「..ジミナはね、おともだちじゃないの。」

YR『え、でも、あの人はママとおともだちって言ったよ？』

「...あの人は、ユラの、、パパだよ。」

YR『えっ...パ…パ？、ユラの？』

「...うん。」

私がそう言えば、ユラはパパ！！と
ジミナに抱きついた。

『...っ！！』
YR『本当に？ほんとにパパなの？！！』

『..うん、ごめんね？会いに来るのが遅くなって。』

そう言って、優しく包み込むように
ユラを抱き締めるジミナ。

吉乃『ほーら、姉さんも♪』

店の中からそれを見ていたであろう
吉乃が私の背中を押す。

一歩、また一歩と近くなる距離に...

心臓の音が跳ね上がって

苦しくて、

苦しくて...

『...A、、』

そう名前を呼ばれれば、

心臓が弾け飛んでしまったみたいに、

全部、全部、何もかも忘れて

「ジミナっ！！ポゴシポッソヨ～…」

スーッと、磁石のようにジミナの胸の中に
吸い寄せられる。

そしてジミナの腕が私の背中に回れば、

心の中から、じんわりとあったかい
気持ちが溢れる...

ユラと、ジミナと、私...

３人で抱き締め合えば、

前に感じたよりももっと、ずっと、
幸せ過ぎて苦しくなった。

YR『ねぇ、パパも一緒にご飯食べよう？』
『...いいの？』

YR『ユラ、パパと一緒に食べたい！！』
「...うん、そうだね。」

──────────…

──────…

お客さん達と、吉乃と、私達３人で
ユラの卒園祝いをして楽しんだその夜...

お互いの今までの６年間を夜通し話した。

──────────…

────…