金魚鉢。 (ページ4)

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４─JMN side─ ページ4

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このアイドル業界において、
必要不可欠で密接に繋がりを持つ世界が２つ。

僕達アイドルとファン達とで一緒に
作り上げる、キラキラとした夢のような世界。

もう一つは、

そんなファン達を悲しませないように
...大人達が用意してくれる
男としての欲望を吐き出させてくれる世界。

俺達は“アイドル”ではるけれど、

夢を壊す言い方をしてる時点でそれは失格なのかもしれないけど、

一歩ステージから離れれば、

“普通”の２０代の男達と

体の仕組みは変わらない。

本当なら、自由に恋愛もしてみたい。

でも、それが悲しませる結果になる職業...

ジミン今日頼みたいんだけど。

スタッフかしこまりました。

メンバー同士、いつソレを発散しているのかは分からないように会社のスタッフが全てを手配してくれる。

そうは言っても、
ＶLIVEなんかしてる日に誰かの事を呼ぼうとすると、

スタッフ
「あー、今日はもうお休みになられてます。」

なんて言われるから、
正直そう言う事なんだろうと分かりやすかったりもする。

時々、俺達を放っておかない一般女性に手を出したりヨジャグループの人達に手を出したりする奴も居るけれど、

それは後々のリスクが大きすぎる事を痛いほど見てきている俺達のグループは皆、

“プロ”と、その手の時間を過ごすんだ。

だからと言って全く暴露されない信頼関係などどこにもない。

ただ、リスクがほんの少し減るだけのこと。

有難いことに、
ある程度の知名度がある現状で、

“実はあなたの事知ってます”
“連絡先交換しませんか？”

なんて言われることも少なくない。

いつ情報を売られてしまうか分からない、

いつファンを悲しませてしまうか分からない、

それでも欲というものは、

そんな理性を欠落させてしまうほど、

自身の身体を支配している。

コンコンッ

『初めまして、朝霧と申します。』

「..あ、はじめまして。ぼくはジミンです。」

ここは、日本。

今日の相手は初めましての日本人。

すごく、きれいな人。

「あ、どうぞ、入ってください。」
『はい、お邪魔しますね。ジミンさん。』

そう言って、どこか妖艶に微笑む姿は

まるでソレが既に始まっているような

そんな錯覚に陥り

これから待ち受ける快楽に

ゾクゾクした。