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──────…


『久しぶり、Aちゃん。』



昨日の晩、偶然テヒョンさんに会った。


そして今晩私を呼んだのは、



悲しい顔してると言うのに、
どこか穏やかな雰囲気のジミンさん。



「..お久しぶり、ですね。」



元気にしてた?なんて聞く、
穏やかに微笑むジミンさんを見れば、
テヒョンさんから何か聞いたことは
容易に察することが出来る。



『...全部、聞いたよ。』
「..そう、ですか。」


『ごめんね、俺何も知らなくて。』
「...いえ。」



まぁ、さしずめテヒョンさんから
抱いてないって事を聞いたってとこだろうな。




『...前にさ、何でこんな仕事してるの?なんて失礼な言い方してごめんね。』


「...え?」


『..好きな人との時間を過ごす為にしてたなんて知らなくて、“こんな”、なんて言って。』



なんでそんなこと...



あの男、どこまで話したの?



「...ジミン、さん?」


それからジミンさんは話し出した。




裕くんと話したんだと言うこと...




何でそんなこと…





私の泳ぎたいと望んだ金魚鉢を、







私に向けた愛情で壊したのは





この男だ。





お前が余計なことを言わなければ、




お前さえ居なければ...




そんな憎悪にも満ちた涙が溢れて止まらない。




惚れるは地獄、
そんなこと痛いほど分かってた。
裕くんに惚れて、麻痺する程に
己を痛めつけてきたのだから。


でも、惚れられるも地獄...
それは、初めて痛感したこと。


ふざけるな、、


そんな感情が、
心を支配しかけたその時、


『...裕さん言ってた。
“裕くんは皆のものだよ”って幸せそうに笑うAちゃんを見てたら何も言えないって。』


「...っ、」


『...俺もアイドルだから、ファンからの愛は痛いほど感じてる。

でもね、その世界から一歩離れれば普通の男と変わらない。
俺は皆のものじゃない。俺は俺でしかないし、

裕さんだって、裕さんは裕さんなんだよ。』



“裕さんは、裕さんなんだ”



その言葉を聞いて、ハッとした。





私は、アイドルとしての裕くんを
守りたくて色々我慢してたつもりだった..



でもそれは、




裕くんをアイドルとして




己の欲を責任感なく満たす為、





ずっと、縛り付けてただけ...


「...ジミンさん、私っ、、」




『うん、...行きなよ。』



悔やみきれない後悔が押し寄せる私に、





そっと優しく微笑んだジミンさんが



その温かい手のひらで、






私の背中を押してくれた。

27→←25─JMN side─



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作者名:ぽん | 作成日時:2019年10月2日 16時

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