１４─JMN side─ ページ14
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見間違いかな、そう思いたかった。
でも、
「あ、あのさテヒョンア、昨日夜何してた？」
TH『おはようジミナ、昨日？なんで？』
「いや、見間違いかとは思うんだけどその..」
TH『あー、見間違ってなんかないよ？』
「...なんで？」
TH『なんでって、だってあの子はそれが仕事じゃん。』
「...っ、」
“あの子の仕事”...
そんなテヒョンアの言葉に苦しくなって言葉が出ない。
そう、Aちゃんの仕事は
“抱かれること”
何を勘違いしてたんだ、
俺だけじゃない。
でも、それでもよりによって
仲間でもあって、親友のテヒョンアと...
TH『...ジミナ、あの子は辞めときな。傷付くのはお前だよ。』
そんなことを思う俺の肩に手を置き、
それだけ言うとテヒョンアは支度をしに
部屋へと戻っていった。
“あの子は辞めときな。”
テヒョンアは俺の気持ちに
気付いてたんだ...
だったらなんでAちゃんを
お前が抱いたの？
“傷付くのはお前だよ。”
そう思うのと裏腹に、頭では理解した
俺を思って言ってくれたその言葉が、
彼女の事を俺より知っているとでも
言いたいように聞こえて
テヒョンアに、その露わな姿を
見せたんだとAちゃんを想うと、
それがまた、苦しくて堪らない。
だけど、
俺はまだこの想いから引き返せる。
日本に居るのもあと数日。
大丈夫、今は逃げればいい...
偶然出会ってたかだか４日間の付き合い、
きっと、海外を飛び回って忙しくしてる内に
Aちゃんへの気持ちなんか
あっという間に忘れられる。
JK『ヒョン？具合でも悪いんですか？』
「..いや、大丈夫。時期に治るよ。」
JK『なら良いですけど、無理しないで下さいね？』
「..あぁ、うん。リハまでちょっと寝てるって言っておいて貰える？」
JK『分かりました。』
心配そうな目を向けるグガにそう告げて
部屋に戻り目を瞑る。
目を瞑って居ると言うのに、
溢れてくる涙が冷たくて...
どうして自分ばっかりこんなに悲しい思い
しなけりゃいけないんだろう、
テヒョンアも、Aちゃんも
何も悪くないのに、
２人を責めてないと心が持ちそうになくて。
俺は知らなかった、
こんな事を考えている間に
テヒョンアも涙を流していたことを...
俺は知らなかった、
心の中に入り込んだ誰かを
忘れるのが、どれほどに難しいことか...
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作者名：ぽん | 作成日時：2019年10月2日 16時
