スカートでもバク転させて！２ (ページ39)

今日:7 hit、昨日:6 hit、合計:93,712 hit

・ページ39

《永瀬》

ちょーどそんときぐらいから東京に行くことが増えた

チャンスやと思った

紫耀と2人でひたすらがむしゃらに頑張った

俺らが頑張って関西のみんなを引っ張ってこよう

そんぐらいの気持ちやった

でも

気づいたらMr.KINGっていうユニットが決まって

気づいたら俺と紫耀からは関西ジャニーズJr.の肩書きがとれてた

毎日ちがうセットの中で

初めて会う大人と喋って、どんだけ眠くても精一杯の笑顔でカメラを見て

家に帰ったら倒れ込むようにベッドに寝転…びたいけど、なんとか風呂には入る

そんな日々が続いてたある日、

風呂から上がって、ふとケータイを見ると
たまたま電話がかかってきた

ナイスタイミングすぎるやろと思いながら画面を
確認したら、

もうほぼ口にすることも聞くこともなくなってた
名前が表示されてた

「…もしもし」

久しぶりっていうには期間が開きすぎてるし…

って、俺からかけた訳でもないのに変に気ぃ遣って出る

するとそんな俺の気遣いを一瞬で無駄にするような容赦ない怒号が飛んできた

［もしもし長尾ちゃん!?あんたまたあたしの手袋持って帰ったやろ!!］

「…へ?」

［ん？あれ？……えっ廉!?ごめん間違えた!!］

思わぬ応答に違和感を感じ、画面を確認して俺にかけたことに気づいたのか、今度は謝ってきた

［ごめんっあのっ、名前が、2人、その、並んでて、焦ってて、ごめん!］

さっきまでの勢いとは打って変わって、焦って言い訳する様子がおもしろくて

「えーけど、手袋ぐらいでんな怒んなや(笑)」

［いやだって電車待ってる間地獄やで!?］

「知るか(笑)」

半年以上も会話してなかったとは思えんくらいのテンポの良さが心地よくて気づいたら2時間も話してた

［てか廉、眠くないん?疲れてるやろ?］

「や、たまたま寝つけんかったからちょーどよかった」

ほんまは風呂から上がったらすぐ寝ようと思ってたぐらいやったけど、久しぶりのこの声をもっと聞いてたくてちょっと見栄を張った

［…会いたいなぁ］

「なっ、何お前、急に!気持ち悪い!!」

［だってさー廉にも紫耀にももう全っ然会ってないねんで?］

紫耀の名前で、さっきの言葉が俺だけに向けられた言葉じゃないことに気付いて、
思ってもないことを言ってしまったことを後悔する