特別 ページ38
《永瀬》
昔、1回だけそうかもっておもったときはあった。
でも、朝早く起きて夜遅くに帰ってくる…
そんな目まぐるしい毎日のおかげで自然と薄れていってた
1個しか歳が変わらへん俺らは入った時期も一緒にやったこともあって、その差もないのも同然やった
最初こそお互い人見知りしてたけど、番組のメンバーに選ばれて、グループも一緒になって、
必然的に同じ時間を過ごしてったらすぐ打ち解けて距離も近くなった
俺があいつのことを特別に思うようになったんは、
今思ったら高校生なってすぐくらいやったかもしれん
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ーーーーーーー
2人とも入所してから始めたダンスで手こずってた
俺は先輩んとこにすぐ行って聞いたりしてたけど、
あいつは自分から壁つくってるみたいに1人でもくもくと練習しとった
避けられ、まではいかへんけどグループも一緒になって、勝手に仲間意識もってた俺には、
『誰がお前らに聞くか』って言われてるみたいで
むしょーにムカついたから
先輩に聞いたばっかやったけど、俺から教えに行った
したら意外にも素直に聞くし、俺の方ずっと見ながら真似するし、
俺も得意げになっていつの間にか2人で練習してた
歳の近い妹ができたらこんな感じなんかなって
思ってたけど、生意気な妹になるまでに時間はそうかからんかった
1年、2年…と経っていくうちに一緒にいる時間は増えてって
距離ももっと近くなってったけど、
その分俺以外のやつとの距離も縮まっていった
俺より先にちゃうやつに喋りに行ったり
俺より先にちゃうやつ誘ったり
俺より先にちゃうやつにダンス教わったり…
それがヤキモチってわかってたら可愛く拗ねたりできたんかもしれんけど、
そんな気持ち初めてやったそんときの俺は
ただただあいつに苛立ってた
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作者名：鹿丸 | 作成日時：2020年5月3日 1時
