俺とトマトと吸血鬼 (ページ8)

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EP..8 ページ8

今日は早めに帰してもらって、テグナにお土産のケーキを片手に家路につく。
テグナは甘いものが好きらしい。
吸血鬼の趣向ってよくわかんないな…

マンションの自分の部屋に近づけば部屋の明かりがついてて
いい匂いがしてくる。
なんか、仕事帰りに誰かいるってホッとするな…

「たーだいま」

靴を脱いでキッチンに向かうと、でかい図体に似合わない可愛いエプロンをつけたテグナがご飯作りの真っ最中。

「おかえり…今日、はカレー…もうすぐ出来る」
カチッとガスの火を消してお皿を並べるテグナ。
なんかお母さんみたいだな…
「ん、ありがとう～」

冷蔵庫にケーキを入れてテグナの横から鍋を覗き込む。うん。おいしそ。

「……ハギョナ」

「ん？」

名前を呼ばれて顔をテグナの方に向けた瞬間に肩を掴まれて
ぐるっと視界が回ると冷蔵庫に押し付けられた

「え、え…！な、ななに…！」

「誰、の匂い…俺以外の…」

目がらんらんとして、見たこたもないような鋭い目
黄色瞳に猫みたいな縦線が入って
じっと俺を見つめる

「誰だ！」
「痛っ…わかんな、い何言ってんだよ！」

強く俺の肩を掴んで顔を近づけてきて
そのまま首筋に鼻を近づけた

「血は…吸われてない…」

「痛い…、よテグナ…！」

ギリギリと、肩に爪が食い込む

「あ……ご、ごめん…！」

ふっと力が抜けて俺はその場に座り込んだ
ちょっとマジで…怖かった…死ぬかと思った～…