EP..22 ページ22
少し落ち着いてから、すぐ帰すのもなんだから2人にコーヒーを出した
コーヒーはテグナが淹れた方が美味しいけど…
そのテグナはぐっすりと眠り込んでいるようだった
「とりあえず落ち着いてよかったですね」
「うん、本当…助かった…」
「あ、俺が噛んだところは後で彼に舐めて貰ってください」
そうだ！！さっき俺、ホンビナに噛まれたけど…テグナが舐めれば大丈夫なのかな…？
「ホンビナが噛んだ時ものすごく痛かった」
くっきりと歯型が残る手首をそっと撫でる
今でも少しジンっとする…
「俺はヒョンの番じゃないですから。痛いですよ。それにヒョンの血も美味しく感じないし」
「そ、そういうもんなんだ…手首なら噛んでも平気なの？」
「はい。番の契約を交わすのは首筋を噛んだ時です」
ホンビナはそう言いながらシガの首筋をトン、と指で叩いた
「じゃあ俺もホンビナが調子悪くなったらあの人に噛んでもらお」
「は…？」
一瞬にしてピリッと空気が張り詰める感じ…おいおい、ここで喧嘩するなよ〜…
「だってそうしないとホンビナが調子良くならないんだろ？」
「俺はまず倒れるなんてヘマはしないね」
「わかんないだろ？」
「俺はしない！」
「デカイ声出すなよ…」
会社でもこんな風に言い争いしてる2人を見たことなくて俺は2人を見ながらそわそわ。
テグナもそうだけど…吸血鬼ってヤキモチ焼きなの？
「ホンビナヤキモチ？」
「…え、なっ…ちがっ、！」
俺の言葉に怒ってた顔から急に顔を真っ赤にしてブンブンと顔を横に降るとチラッとシガを見てから気まずそうにコーヒーを啜った
その様子を見てシガの表情も柔らかくなったみたい。
よかった、とりあえず喧嘩にはならなかった…。
「じゃ、俺たちそろそろかえりますね。」
「もしまたなんかあったら連絡してください」
「あ、うん！！今日は本当に助かったよ…ありがとう。」
コーヒーを飲み終えて帰った二人を見送った途端、なんか気が抜けて俺もぐったりと疲れに襲われた
玄関を閉めてからソファーに寝転ぶとその前眠さに負けて瞼を閉じた
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作者名：p663 | 作成日時：2017年8月22日 23時
