EP..20 ページ20
ガシャーーン、と
すごい音がして振り返る
「テグン！？」
食後にコーヒー淹れるってキッチンでコーヒーの準備してると思ったら
さっきの音…
「や…！テグナ！！」
ぐったりと倒れ込んで苦しそうに肩で息をしてる…
おでこに触るとすごく熱くて…
まさか、風邪かな！？
さっきまで全然普通で熱なんかなそうだったのに、！！
「テグナ、テグナ…！」
肩を抱いて起き上がらせても薄っすらと目を開けてまたすぐに閉じてしまう
相当、苦しいのか…
俺より少しでかいテグナの体をなんとか引きずるようにしながら寝室に連れて行く
溢れたコーヒーがかかったシャツを脱がせて取り敢えずそのままベッドの上に寝かせた
「病院…病院…えっと、、！」
自分の財布の中身を確認してカバンを掴んだとこでハッとした
テグナは吸血鬼…
病院連れてってなんかバレたり、
薬が変に効いたりとかしたら…？
振り返れば苦しそうに呼吸を続けるテグナの姿…
吸血鬼だから、血をあげたら元気になるかも？
そういえば最近すごく我慢してたし…
「テグナ、血…吸って…」
すぐにベッドに移動して上半身起こさせてから頭を支えるようにして首元に引き寄せるけど
テグナは弱々しく口を開いては見るものの噛み付く力すら入らないみたいだった
「ど、どうしよ…あ、、ホンビナ！」
小走りでリビングに戻ってケータイ引っ掴んでホンビンに電話を掛けた
呼び出し音がやけに長く感じる
「はい？もしもし？」
「…っ、ほ、ほんびな…てぐ、てぐ…テグンが…ッ…」
ホンビナの声を聞いた瞬間に安堵して情けないけどボロボロと涙が溢れてきちゃった…
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作者名：p663 | 作成日時：2017年8月22日 23時
