EP..11 ページ11
「ハギョナ…起きて」
ユッサユサと揺らされて目が覚める
テグナが俺より早く起きてるなんて珍しい…
そう思いながら目を開けると、すでにしっかりと服を着て髪も整えてあるテグナが顔を覗き込んでた
「ご飯、できてる」
「え…あ、うん？」
言われるままに起きて、顔洗ってテグナが作ってくれた朝食を食べるけど…
なぜかじっと見てくるテグナ…
「どっか出かけるの？」
こくりとうなづいてトマトジュースをストローで吸い上げて直ぐに目を逸らした。
…怪しい。
「俺も行く」
「はい？！」
仕事の準備を整えていざ、出発って時に…
「ハギョナの仕事場…行く」
そのために準備してたのか！？
「な…っ、だ…ダメだよ！！」
「…やだ」
そんな急にテグナ連れてなんて仕事いけないし！
「心配だから…行く」
「ヤ！ダメ」
ビシッと目の前に指を突き出してめっ！ってしてやるとテグナはしゅん、として…
「ハギョニ…」
甘えたような声で俺のシャツを握った
「甘えてもダメなものはダメ！」
「ダメ…？」
うるうる、と目が潤んで行く…
ええ〜…可愛い……けど！！！！
「だーめ！！大丈夫だから待ってて！」
ニコッと笑ってそぉっとシャツを握る手を降ろさせて
玄関を開けると慌てて靴を履こうとする
「あー！こら！ダメだってば！！待ってろって！」
「やだ…いく…！」
「ダメっていってるだろ！！」
「…っ、！！」
つい、大きな声を出してしまった
テグナはビクッと肩を跳ねさせると悲しそうに顔を歪ませてから俯いた
「ご、ごめん…」
「…行ってらっしゃい」
「う、ん…」
テグナは俯いたままそう言うと俺の背中を押して外に出すと玄関を締めて直ぐにガチャっと鍵まで閉めた…
ううん、強く言いすぎたかな…
でも付いてきたとしてラビとホンビナになんて説明する？
それに！！
あの二人のどっちかがマジで吸血鬼だとしたら喧嘩とかになるかもしれないし！？
そんなの絶対阻止しなきゃいけないに決まってる！！
テグナには帰ってきてから謝って…仕方ないから少しだけ血でも吸わせてやろう。
寂しそうなあの顔が少し頭をよぎるけど、
仕方ない…
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作者名：p663 | 作成日時：2017年8月22日 23時
