こいつだけはない【MG】 (ページ30)

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『ミンギュ、ごめんお待たせ。』

MG「いや、今来たところ。」

『あ…そう。』

MG「何？」

『いや、いつもなら遅い！って怒るじゃん。』

MG「そうだっけ。」

なんだこいつ。

お祭り会場に向かう間もミンギュの調子はどこか変。

いつもみたいに小言も言わないしおとなしい。

『どうしたの？熱？』

MG「俺をなんだと思ってるの。」

『ムカつく変人。』

MG「わ、すごい人の量だね。」

『おい無視するな。』

これじゃあ居心地が悪い。

私ばかり子供みたいじゃないか。

MG「A。はぐれないように手。」

『やだよ。子供じゃないんだから。』

MG「うるさい。何かあってからじゃ遅いでしょ。」

『わ、！』

ミンギュの大きい手が私の手を包み込む。

おかしい、おかしすぎる。

私たち、恋人じゃないもん。

幼馴染だもん。

人が前から後ろかと押し寄せて自然とミンギュが前を歩く。

その背中がなんだか大きくて、変な感じだった。

手を繋いでいるせいか、心臓が音を立てている。

『いった、。』

下を見ないでぼーっとしていた私に天罰が食らった。

前から来た男の人に足を踏まれてしまったのだ。

サンダルなんて履いてこなきゃよかった。

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