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やっぱり今日は、昨日を上回る程の忙しさで、レジも途切れない。
塚ちゃんととっつーはいつも以上にくるくると忙しく動き回っているし、厨房も止まることなく動いている。
そんな中でも、優雅な所作で余裕があるように見える支配人は、さすがといった所。
レジのお客様が小銭を探している間、支配人をふと見ると目が合ってウインクされた。なんなんだ。
…そんな風にまた1日が過ぎて、夕方になる。
今日は、近所のたいようの家に、クリスマスケーキを配達することになっていた。
本当は良亮が行きたがっていたのだけれど、いろいろと忙しくてそれは叶わず。
私が代表して届けることになったのだった。
「りんこちゃんによろしく…」
という、良亮の恨めしそうな声を背に、店を出る。
近所とはいえ、さすがに徒歩では運べずに、ワゴンを走らせる。
着いたらりんこちゃんが嬉しそうに出迎えてくれて、またお店に来てね、なんて約束をして。
良亮への手紙を預かって外に出る。
すると、向かいの公園のベンチに、どこか見覚えのある男の子の姿があった。
そうだ、あれは、きっと。
「…ねぇ」
思わず近付いて声を掛けると、男の子はびくっと肩を震わせて、ゆっくりと振り向いた。
怪訝そうなその顔はすぐに、あ、と何かに気付いた顔に変わる。
「ケーキ屋さん」
「やっぱり、あの時の」
また会えたなという喜びと、どこからか来る安心感。
あの時、気付いたらいなくなっていたから、もしかしたら私の夢か見間違いなんじゃないかしら、なんて思っていたのだ。
「魔法のケーキは見つかった？」
隣に腰掛けてそう尋ねると、男の子は何故かびっくりしたように目を丸くして、それから「ううん」と首を横に振った。
「そっか…どんなのか分からないんだもんね…」
「あの」
「ん？」
男の子が恐る恐る、という感じで言う。
「おねえさん、信じてくれるの、まほうのケーキ」
「え？」
「みんなに言っても、そんなのあるわけないじゃんって、ばかにされるんだ」
そう言って、じっと膝の上に置いた手の先を見つめる。
そっか。誰にも、信じてもらえないんだね。
胸の奥の方がぎゅうっと苦しい気持ちになって、なんとかこの子に笑顔になって欲しいな、なんて考える。
魔法のケーキ、見つけてあげたい。
「お母さんのために探してるって言ってたよね」
私がそう言うと、男の子は大きく頷いた。
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ろっか(プロフ) - お話めいっぱい書きすぎてあとがき入れられませんでした！！この計画性の無さ！！なのでコメ欄で失礼します。お読み頂きありがとうございました！あとがきはTwitterにでも載せます(笑)…ろっか (2019年12月27日 0時) (
レス) id: 2af5960142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろっか | 作成日時：2019年11月3日 16時
