ep.4 フルーツタルトの約束 ページ34
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「ふみとー、こっちのフルーツはシロップ漬けにしていいやつ？」
「おう、頼んだ」
閉店後のパティスリー五つ星。
厨房では、何やらまだ作業が続いている。
「…ねぇ塚ちゃん」
「ん？なに？」
カフェの掃除をしていた塚ちゃんを呼び止めて、聞く。
「ずっと気になってたんだけど、郁人と良亮って、師匠と弟子なんだよね？全然そんな風に見えないけど」
「あれ、そっか、Aちゃんは知らないんだっけ」
「何を？」
「ふたりの関係」
「え、なにそれ」と私が聞くと、塚ちゃんは持っていた箒の上に顎を乗せて、にやり、と笑った。
「え〜どうしよっかなぁ」
「いやだからなんなの…」
「実は……」
「実は…？」
塚ちゃんが突然、声を潜めて私に顔を近づける。
「実はあのふたり、付き合ってるんだよ」
「んなわけあるかバーカ」
後ろから良亮が出てきて、スケッチブックでぽこん、と塚ちゃんを叩いた。
「…ほんっとくだらない」
呆れてそう言うと、良亮が「ほんとだよ」とため息をついた。
「ちょっとした冗談じゃん…」
「あれ、何か新しいデザイン考えてるの？」
頭を押さえてしゅんとする塚ちゃんを無視して、良亮の持つスケッチブックを見てそう尋ねると、
「うん。ちょっとね」
と言って、にいっと笑われた。
「もしかして、コンテストに出すやつ？」
「あは、そっこーバレた」
「分かるよ。だって毎年郁人がこの時期頭抱えてるもん」
「そうそう。年明けのやつね」
「次は良亮がやるんだ。見せてよ」
そう言いながら、何気なくスケッチブックに手を伸ばすと、さっと後ろに隠された。
「まだ秘密」
「え〜」
「自信もって見せられるのができたら、ちゃんと見せるから」
良亮はそう言って、またいたずらっ子みたいな笑顔で笑った。
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ろっか(プロフ) - お話めいっぱい書きすぎてあとがき入れられませんでした！！この計画性の無さ！！なのでコメ欄で失礼します。お読み頂きありがとうございました！あとがきはTwitterにでも載せます(笑)…ろっか (2019年12月27日 0時) (
レス) id: 2af5960142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろっか | 作成日時：2019年11月3日 16時
