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「よろしければ、お手伝いしましょうか」
突然、とっつーがそう言いだすので、思わず「えっ」と声を出す。
「ちょっと、とっつー。手伝うって、そんな無責任な」
「だって、こんなに長いこと一途に思ってるんだよ。彼は報われなきゃ可哀想だ」
「それはそうかもしれないけど…」
「それに、好意が無けりゃこんな洒落た店に男とふたりで来ないって」
とっつーが、自信たっぷりに頷く。よく自分の店をそんな堂々と褒められるな。
「…でも、彼女が突然怒った理由だって分からないんでしょ？」
私がそう言うと、目の前の和田さんはまた、がっくりと分かりやすく肩を落とした。
「…そうなんです……僕は何か彼女の気に障ることを言ってしまったんでしょうか…」
その時、チリリン、と店のベルが鳴った。
はっとして時計を見ると、営業時間を10分、過ぎている。
「いらっしゃいませ」
と、慌ててレジの方へと向かう。
「申し訳ございません、当店営業時間を過ぎて…」
「うん、過ぎてるからちゃんと看板しまっときなさいね」
ちゃんと仕事しろよ〜？と、支配人が私の頭をぽんぽんと叩く。
「おかえり、五関くん」
「なに、とっつーとAは仲良くおしゃべり？妬いちゃうね〜…っと」
いつものようにへらへらと笑いながらコートを脱いだ所で、和田さんの存在に気が付いたようだった。
そのまま優雅な動きで一礼する。
「…これは失礼致しました。まだお客様がいらっしゃったとは」
「あ、いや、僕は」
「どうぞごゆっくり」
「い、いえ…！すみません……営業時間過ぎてるんですよね。もう帰ります」
和田さんがそう言って、ばたばたと帰り支度を始める。
塚ちゃんが何故か厨房からひょこっと顔を出して、「あれ、まだ閉めてなかったの？」と言うのと同時に、和田さんが帰り支度を済ませて、ドアの前でぺこりと頭を下げた。
「こんな時間まですみません……！お詫びに来たのに、またお詫びすることになってしまいました」
「そんな、お気になさらず」
あまりの勢いに慌ててそう言うと、とっつーも、
「そうですよ、また良ければお話聞かせてください。応援しますから」
と優しく続けた。
和田さんはもう一度、深く深くお辞儀をして帰っていった。
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ろっか(プロフ) - お話めいっぱい書きすぎてあとがき入れられませんでした！！この計画性の無さ！！なのでコメ欄で失礼します。お読み頂きありがとうございました！あとがきはTwitterにでも載せます(笑)…ろっか (2019年12月27日 0時) (
レス) id: 2af5960142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろっか | 作成日時：2019年11月3日 16時
