白き鶴からの贈り物【刀剣乱舞】 (ページ33)

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夜。
いや、深夜と言うべきか。
突然目が覚め、眠れなくなってしまった。
それと同時に、小腹も空いていたので、居間にほたる饅頭を2つ取りに行き、縁側で食べることにした。
今日は綺麗な満月だ。
月を見ながら饅頭を食べるというのも中々風情のあるものだ。
鶴丸が寝ており監視に着いていない為、何だか悪いことをしている気分だが、この雰囲気を独り占めするのもいいかもしれない。
久しぶりの1人。
何だか少し寂しく感じてしまう。
それもあの子たちのせいだろう。
全く、私をこんな風にしてしまったのだから、あの子たちにはずっと傍にいてもらわないと。
そう思い、饅頭を口にしようとした時。

ガサッ

草を踏む音が聞こえた。
私は身構える。
すると、知らない刀剣男士が現れた。

「…あんた、誰ですの？」
「新しくここの審神者になった者です。貴方は？」
「審神者……。まぁええわ。自分は、明石国行言います。」

飄々としているように見えるが、冷たい視線を感じる。
やはり彼も審神者を嫌っているのか。

「明石は、何故こちらに？」
「何や目ぇ覚めたんでふらふら歩いてただけですわ。審神者はんは？」
「私も似たようなものです。…そうだ。」

私は、もう1つの饅頭を手に取る。

「食べますか？」
「おおきに。……ってこれ。」

明石の声のトーンが一気に低くなるのを感じた。

「ほたる饅頭ちゃいます？」