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ガラッ
「おお、来たか。」
「三日月の旦那！？他に負傷した刀剣男士ってあんただったのか！？」
「薬研か、久しいのお。」
薬研は三日月に今までどこにいたのか、何をしていたのかを一気に聞く。
「薬研、まずは手入れをしましょう。話はそれからです。」
「あ、ああそうだな。」
乱たちが集めてくれた資材を片手に、薬研は三日月を、私は鶴丸を手入れする。
「痛って！！」
「じっとしてください。」
見るからに痛そうな傷ばかりだ。
それほどまでに、三日月の一撃一撃が重かったのだろう。
私は彼になるべく動かないよう指示をし、手入れを進めた。
＿＿＿＿＿
「お、体が軽いぞ！！やっぱ玉鋼は傷に効くなあ！！」
「そんな言葉初めて聞きましたよ…。」
三日月も鶴丸も手入れが終わった。
三日月の方は和服の中に痛々しい痣が複数隠れていたようで、やはり手入れをしておいて良かった。
「……さて、手入れも済んだことだし、そろそろ聞かせてくれねぇか？」
「そうだな。」
あれは20年ほど前だったか。
三日月は語り始める。
＿＿＿＿＿＿＿
「審神者！！！」
「何よー、『主』って呼びなさいよ失礼ねぇ
。」
「山姥切をどうした！！」
ここ数日山姥切が見えない。
そう思い山伏に聞くと、審神者が山姥切を連れ去ったという。
それで俺は審神者を問い詰めた。
「まんばちゃん？ああ、あたしに楯突くから折ったわよ。」
「……っっ！！」
「それよりぃ、今からいいことしない？」
審神者は指を絡めてきた。
俺と鶴丸は審神者に気に入られていた。
それ故、よく夜伽を命じられていたのだ。
鶴丸は大倶利伽羅と燭台切、俺は三条の皆を人質に取られていた為、致し方なく従った。
しかし、こんな話をされては黙っていられなかった。
ペシンッ
俺は思わず審神者の頬を叩いてしまう。
そんなこと、この女が許すはずが無かった。
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作者名：桜花 | 作成日時：2020年4月24日 0時
