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「…自由に体を動かせるのはいつぶりかの。」
三日月が刀を鞘に収める。
「三日月、戻ってきたんだな…！」
「迷惑をかけたな、鶴。それにおぬしも。」
三日月がおじぎをする。
「すまなかった。」
「あの宝石のせいですから、いいです。顔を上げてください。」
「にしても、あれ一体何なんだ？」
そう鶴丸が言った時、空間がグラりと揺れる。
あの宝石がこの部屋を保っていたのだろうか。
「ここで話している暇は無さそうだな。鶴、女子、動けるか？」
「こっから逃げれるくらいの余裕はあるぜ。」
「私もです。」
私たちは、三日月の模様に触り審神者部屋へと戻る。
＿＿＿＿＿
「この部屋もいつぶりか。前より少し血が薄まったような…。」
「私と鶴丸で拭いたんです。とりあえず、2人共手入れ部屋へ行きましょう。話はそれからです。」
鶴丸は三日月の攻撃で重傷。
三日月はかすり傷のような物が多々ある。
まずは傷を治すことを優先しなければ。
「俺はいい。鶴だけ行ってこい。」
「三日月も傷を負っているじゃないか。」
「俺のは軽傷だ。」
はっはっはと笑っている三日月を私は手入れ部屋へ引っ張る。
「軽傷でも直さなければ。」
「おぬしは優しいのお。…だが、おぬしも手の怪我を何とかせねば。」
あ、そうか。
あの時はそれどころじゃなくてすっかり忘れていたが、三日月に右手を刺されていたんだった。
思い出すと同時に、激しい痛みが込み上げてきた。
「人の身は我々よりも治りが複雑で遅いからな。早めに薬研のところへ行って手当てをしてもらってはどうだ？」
「…それもそうですね。」
右手が使い物にならなくなったら困る。
右利きの私は左手では何をするにもおぼつかなくなるだろう。
「では、鶴丸と三日月は手入れ部屋で待っておいてください。すぐに戻ってきます。」
「監視。」
…そういえばそうか。
いつになったらこの人は私を認めてくれるのか。
「鶴丸も一緒に行きましょう。」
「ああ。」
三日月を手入れ部屋へ行かせ、私と鶴丸は薬研の部屋へと向かった。
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作者名：桜花 | 作成日時：2020年4月24日 0時
