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…いや、あれはハッタリだ。
敢えて警戒させることで動きを鈍らせるってことね。
けど私はどう動けばいいの……？
あっちは戦闘のプロだが、こっちは全くの素人。
なりふり構わずうなじの宝石を壊すことしか出来ないが、そんなことをしたら右手どころか最悪心臓を突き刺されてしまう。
……そうか、動かなければいいのか。
私は鶴丸が戦ってる間に準備をする。
＿＿＿＿＿
「くっ…！」
「さて、そろそろ本気を出すかな。」
「げっ、真剣必殺！？」
三日月は、鶴丸に大ダメージを負わせる。
鶴丸はもう立てないようだ。
「くそっ…！」
「そこで大人しく待っていろ。」
三日月はこちらへ向かってくる。
「審神者逃げろ！！！」
私は鶴丸の声を無視してそこに留まる。
「時間があったというのに、よく逃げなかったものだ。」
「刀剣男士を置いて逃げる審神者がいますか？」
「はっはっは。違いない。その心意気は認めよう。だが…」
三日月は私の首に刃を当てる。
「俺の主を殺したことは許せない。その死を持って償え。」
「違いますが…。何を言っても無駄そうですね。」
私は目を閉じる。
「あの世で主に土下座しておくんだな。」
「審神者！！！」
そう言って三日月は私の首を斬る。
「……！？」
私の首を斬り落とすと、私の体はリボン状の紙になり、三日月に襲いかかる。
「何だこれは…！！？？」
三日月は紙を斬って行くが、別の紙が三日月の腕を捕らえ、動きを封じる。
そして『本体』の私がうなじの宝石に左拳を入れる。
パリィィィィン
「っ……！」
三日月は一瞬動きが止まり、こちらを振り向く。
先程までの月食のように冷たい視線では無くなっていた。
月のように美しく優しい眼差し。
これが鶴丸の知っている三日月その人なんだと悟る。
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作者名：桜花 | 作成日時：2020年4月24日 0時
