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「時間遡行軍に？」
「刀剣男士が歴史を変えたいと、強く願えば時間遡行軍になります。」
「加州が歴史を変えたがった…？」
もしそうなら、原因として浮かび上がるのは『安定』。
「鯰尾、『安定』について心当たりはありますか？」
「ああ、やっぱり…。」
鯰尾は頭を抱える。
「加州さん、ずっと叫んでたんですよ。『安定を殺すな』って。過去の自分に。」
過去の自分…？
「加州さんの言う『安定』というのは、同じ主の刀だった刀剣男士、『大和守安定』さんの事です。何があったか分かりませんが、大和守さんが時間遡行軍になっていて、それを加州さんが倒したんです。」
「その時の光景をずっとループして見ていた、と？」
「はい…。」
加州にとっては大和守は相棒のような者だっただろう。
その相棒を自分で倒した、というだけでも辛いだろうに…。
何故その光景をわざわざ何回も見るのだろう。
「実は、加州さんの腕に腕時計が付いていまして、それが強制的に加州さんをその時間にループさせ続けていたんです。しかもこの本丸に帰れないようにされていました。」
「そんな…。」
そんな事をする人なんてたった1人しかいない。
前任の審神者…！
「きっと起きたら、また叫び出すと思うんです。だから主、何とか彼を落ち着かせてやってください。」
「上手くいくか分かりませんが、やってみます。」
私が手入れ部屋へ向かおうとした時
「うわああああああ！！！」
悲痛な叫び声が聞こえた。
「主！！」
「ええ、行ってきます。」
私は急いで手入れ部屋へ向かった。
＿＿＿＿＿＿
ガラッ
「落ち着け加州！大丈夫だ！」
「安定を殺した！！！俺が…、俺が、殺した…！！！俺が！！！俺が！！！」
鶴丸が暴れる加州を押さえつけている。
「殺さなきゃ！！！俺を殺さなきゃ！！！」
「加州！」
私が声を上げると、加州はピタリと止まる。
「審神者…？そうだ、安定が『入れられる』前に戻って審神者を殺せば！！！」
加州から骨と瘴気が出始める。
これはマズい…！
「こんなことになる歴史を守らなきゃいけない！！？？冗談じゃない！！！俺は…俺は…！！！！」
私は咄嗟に加州の頬を叩く。
「審神者…！？お前！！！」
「こうでもしないと自分の世界から帰って来れないでしょう。ほら。」
先程まで何も見えていなかった加州が私をじっと見据えている。
「あんた…誰だよ…？」
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作者名：桜花 | 作成日時：2020年4月24日 0時
