・ ページ40
・
北斗はどう思ってんのか
これまで北斗を好きだと思う度に何度も考えてきた
北斗はどう思ってんだろうか
俺はこんなに好きだけど、北斗は、
それなのに漸く思いを口に出した時には、そんなことは少しも頭に浮かばない
「好きで、特別扱いしてた。北斗の笑う顔が見たかったし喜んで欲しかったし。
だから俺がすることで笑ってくれるなら何でもしてやりたかった」
これまで我慢してた思いがどんどん出てきて、
口にして改めて自分の思いを知っていくみたいだ
「いつからかはもう分かんないけど、気付いたら好きだったんだよ。気付けば隣にいて居心地が良かったし、誰といるよりも一緒にいて楽しかったし、」
「樹、」
「俺の気持ちを北斗に共感してほしいなんて思ってない。北斗にとって1番の友達でメンバーでいれるだけで充分だったし、それで幸せだから、まあもしこの話聞いて気持ち悪ければそれはそれだと思うし」
「樹！」
俺が包んでいると思っていた北斗の両手は、いつのまにか俺の手を包むように重なっていた
「話、聞いて」
さっきまで震えてた手はもうなくて、
あぁ北斗は決めてしまったんだなと悟る
「…びっくりした、てわけでもないけど。何となく分かってたっていうか、納得したっていうか。まあうん、何が言いたいかって言うと…
俺も、好きで特別扱いしてた」
「…ぇ？」
「樹のこと好きだから特別だった。遊びに行った場所も食べたものも全部覚えてるし、写真は宝物だし。俺も好き…ってこれ言うつもりなかったんだけど」
照れたように赤く耳を染めた北斗を見て、
これは同情で共感してるわけではなく北斗の本心なんだと実感した
「ちょ、泣くなよ」
「は、泣いてねえよ」
泣き止んで
そう言って北斗に抱きしめられるから、今日はそれに甘えることにする
抱きしめられるのもたまには悪くねえな、なんて
ブーブー
北斗の腕の温かさを感じていれば、テーブルの上でスマホが震えるのが見えた
「…電話」
「出ていいよ」
表示は“高地”
「…出なくていいだろ」
「いや今回に関しては高地に感謝すべきだと思う」
確かに高地がいなければ北斗とこの話をすることもなかったと納得して電話に出た
『北斗と話した？』
「…ん、ありがとな」
『素直で気持ち悪いな。これ入所祝いな』
そう言って切られた電話が何だか高地らしくて、北斗と2人で笑い合う
「これからはもっと特別扱いするからな」
fin
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 766人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぷりむら
| 作成日時：2021年3月10日 15時
