you know I love u? -2- (ページ22)

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side blue

「樹くん電話？」

「あぁ、うん。もう終わったけど」

そっかーと言うこの子は俺の彼女

友達の紹介で知り合い流れるようにそのまま付き合っている

料理も掃除もできてよく笑う明るい子

なんの申し分もない

…でも、北斗じゃない

「見て樹！」

「聞いてよ樹～」

「樹のばか、知らない！」

「ごめんね、樹」

目を閉じれば脳裏に北斗の顔が浮かんでしまうほど、

俺の脳は北斗に侵食されてるっていうのに

今日も俺は北斗ではない誰かを抱いて、

北斗ではない誰かに愛を囁いている

だってそれが正解だと思ったんだよ

メンバーで、幼馴染で、ましてや男、

そんな俺たちの関係を、俺は歪める自信がなかった

歪めてでも北斗を手に入れたいとは思わなかった

「…っ、」

誰のせいだと思ってんの、

きょもの声が蘇る

誰のせい？俺のせいだって言うのか？

何で北斗が俺のせいで傷付くんだよ、

何で俺の彼女の話であんなに傷付いた顔すんだよ、

浮かんだ考えは1つあるけど、余りにも自分に都合がいいもので

浮かんでは消し、浮かんでは消しを繰り返す

「今日、全然目合わないけど大丈夫？具合悪い？」

結局俺は誰も傷付けたくない、とか言って

目の前の彼女も、

北斗を好きなきょもも、

そして1番大切にしたかった北斗すら傷付けている

「いや、大丈夫。ちょっと煙草吸ってくる」

まだ肌寒いテラスに出れば、綺麗な月が浮かんでいて

やけに地上との距離の近さに驚いた

この綺麗な月を見ていると、何故か北斗の横顔を思い出して

北斗を忘れようと思って今こうしているはずなのに、

俺がしているのは間違いなんだろうか

「北斗、月が綺麗だな」

そう声に出してみても、お前に聞こえるはずもないのに