夜更 “green” ページ13
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side black
眠い、
目を擦れば、赤くなるからダメという恋人
「眠いなら寝な？」
「いやだ、まだ」
時刻は午前0時
俺にとってはとっくに夜更かしの時間
「…もし、俺がいなくなったら困る？」
そんなチープな質問
俺は彼にされたことはないけど、されたら嫌だなと思う
「困るよ、当然じゃん」
いつでも欲しい言葉をくれて、やさしく頭を撫でてくれる
「なんかあった？」
聞かずに放っておかないところも、慎太郎の好きなとこらの一つ
「いらないって言われた」
詳細なんて何一つ話さなくて、
というか同じ仕事をしているからか話したくなくて
仕事での弱音を慎太郎に吐き出す俺は弱虫だと思う
そんな俺に慎太郎はやさしく、おいで、と声をかけた
ソファに座る慎太郎の横に座れば
「違う、こっち」
あっという間に膝の上
目の前には慎太郎の黒い髪があって、
同じシャンプーの匂いに癒される
「北斗はね、いらないなんてことは絶対にないよ」
ぎゅ、っと音が出るくらいきつく抱きしめられて
それと同時に右肩に慎太郎の息遣いを感じた
「慎太郎は俺が必要？」
「北斗がいない世界で笑えないと思う」
そう言って歯を見せて微笑んだ
笑ってるじゃん、と言えば
今は北斗がこんなに近くにいるから笑うよ、だって
「…俺は慎太郎が必要だって言ってくれるだけで、生きていける気がする」
「そっか。じゃあもっと伝えなきゃね？」
疲れちゃったのかなヨシヨシ、と頭を撫でられるのは
年下だし俺より背低いしちょっと癪だけど、
でもその大きなあったかい手も優しい目も大きく開く口も甘い声も
全部が全部大好きなもの
ちゅ、
慎太郎の顔を見つめていたら突然近付いた唇
「ずるだよね」
「そんな顔で見てくる北斗もなかなかだと思うけどね」
そんなことを言いながら、また顔を近付けて
「好きだよ」
照れ臭そうにその言葉を言ってくれて
あぁそれが俺の存在意義だよなぁって、
「俺も好きだよ」
その言葉を聞いて、またやさしく微笑んだ
耳真っ赤だよ？って
こんな夜更もたまには悪くない
fin
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作者名：ぷりむら
| 作成日時：2021年3月10日 15時
