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「ひなーっ!俺の携帯どこやっけ?」

「んー?あの辺やない?」









彼の探し物がありそうな場所を指差しながらいうと、









「あっ、あった!ひなちゃんありがと。」









はにかんだ彼の顔が俺の目に映る。









俺と彼は大人になった今も一緒にいる。
一緒にいるのが当たり前のことのようになっているこの関係性。
心地よいような物足りないような…
俺の心は欲張りになっているようだ。









「なあ、きみ。子供の頃の約束覚えとる?」

「え?いきなりどうしたん?」

「久しぶりに子供の頃の夢見たんよ。」

「そうなんや…。」









彼は優しく微笑みながら隣に腰かけると俺の顔を覗き込んでそっと指を頬に滑らせた。
くすぐったさに肩をすくめながらも彼を見つめるとゆっくりと顔が近づいてくる。
反射的にきゅっと目を閉じると唇に柔らかい感触。









「…っん!きっ、きみっ!?」









顔を真っ赤にして目を見開く俺に彼は頬を掻きながらはにかんだ。









「約束、覚えとるよ。ひなのことは俺が守ったるって…。」

「…っ、きみ〜…っ」









彼の言葉に涙が込み上げてくる。









「ひなちゃんは泣き虫やな〜。」









そう言いながら涙を拭ってくれる優しい指が愛しくてたまらない。









「やって…っ、嬉しいんやもん。」

「あーもう、ひなちゃん可愛すぎやろっ。」









俺を包み込むように抱き締めてくれる彼の背中に腕を廻してぎゅっとしがみつくと優しく髪を撫でてくれた。









安心できる彼の腕の中で段々と瞼が重くなってくる。
まだ寝たくない。ゆっくりと彼の温もりを感じていたい。
そんな俺の願いも叶わず夢の世界に引きずり込まれていく。








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「きーくん。大人になってもずっとずっと一緒やんな?」

「当たり前やろ。ずっとずっと一緒やで!」

「ホンマ!?約束やで?」

「うん。約束!ずーっとひなと一緒や。」




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幼い頃に交わされた2つの約束。
未だ継続中。
きっとこれからもずっと…









end


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白い紫陽花。→←幼い日の約束。1



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∞さっちん∞(プロフ) - とまころろさん» 初めまして。コメント有難うございます♪可愛いほほえみ…。そう言って頂けて嬉しいです☆亀更新になると思いますがお付き合い頂けたら幸いです。 (2017年9月12日 11時) (携帯から) (レス) id: b80015d902 (このIDを非表示/違反報告)
とまころろ - ほほえみ好きなので可愛いほほえみが読めて嬉しいです。他コンビも素敵です。更新楽しみにしてます! (2017年9月12日 9時) (レス) id: a490b140af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:∞さっちん∞ | 作成日時:2017年7月6日 15時

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