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優斗 side
《おい優斗〜彼女が外で待ってるぞ〜》
『だから違ぇって笑』
部活が終わって、部室で急いで着替えをしていると周りのヤツらがそう言ってきた。
そうだよ、と言える日が来ればいいんだけど、今の俺にとってはまだ冷やかしでしかない。
そして着替えを終えて部室を出ると外で待ってくれていたAが「お疲れ様」と微笑んでくれるから、その少しの仕草にさえも胸が高鳴る。
『帰ろっか』
「うん！」
もうだんだん暗くなり始めている空の下、2人で自転車を押しながらゆっくりと校門を抜けていく。
するとAが何かを思い出したかのように「あ！」と声を上げた。
「そういえばこのまえのテストどうだった？」
『俺は追試ギリセーフ！』
「わたしも！」
『じゃあ今年の夏はいっぱい遊べるな笑』
「そうだね！」
昨年はテストの出来が悪すぎて、Aと俺は夏休み期間中の追試に引っかかってしまった。
そのせいで全く遊べなかったんだよな……
夏といったら、海とか祭りとか色々イベントあったのにね。
『あのさ、』
「んー？」
『今年の夏祭り、一緒に行かね？』
ずっと前から誘おうと決めていた。
でもやっぱり自信はなくて、別に好きでもない男と2人きりで祭りなんて嫌がるかな……と不安に思っていたけど、Aは嬉しそうに「うん！」と頷いてくれた。
「今のところ誰とも約束してないし、全然大丈夫！」
よかった……！！
他の男からの先約あったりしたらどうしようかと思った……
『やば、めっちゃ楽しみなんだけど』
「ね〜！お祭りとか久しぶりだなぁ」
楽しそうにはしゃぐ姿を見つめながら、Aは浴衣着たりすんのかな、とか色々想像すると今からでもワクワクしてきた。
その時には……想いも伝えられたらいいな……
なんて呑気なことを思えたのもこの時だけだった________
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作者名：まれぴゅま
x他3人 | 作成日時：2020年6月28日 1時
