ぴゅあ恋 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:23,815 hit

・ページ2

You side

授業中、ぼーっとしていると背中にトンッと何かが当たる感覚がして後ろを振り向くと、遠くの方の席に座ってる優斗がニヤニヤしながら『下見て』と口パクで伝えてきた。

言われた通りに下を見てみると、床には優斗の消しゴムが転がっていてケースの間にはメモが挟まっていた。

その消しゴムを拾い上げて挟まっていたメモを広げてみると、

【授業つまんなくね？絵しりとりしよ】

と書いてあった。

これはわたしたちの中での恒例行事で、つまらない授業(特に古典)ではよく手紙を回して遊んでいる。

だからわたしは最初に簡単にリンゴの絵を描いて優斗に投げ返した。

そして何事もなかったかのように先生の話にテキトーに相槌をうちながら授業に集中しているフリをする。

するとしばらくしてからまた消しゴムが飛んできて、挟まったメモを広げるとそこには破壊的な絵が描かれていて思わず吹き出してしまった。

「ぶっ、！」

先生「おい、髙橋と栗栖！」

『すみません、笑』

先生「ほんと毎回毎回……」

先生は呆れながらそう言って、クラスメイトからも「またおまえらかよ～」なんて声が降ってくる。

こうやって怒られるのも日常化してしまっていて、周りからはいつも冷やかされるんだ。

ほんとはそれさえも嬉しいんだけどね、なんて言えるわけないんだけど。

だってこれは完全なるわたしの片思いだから。

きっと優斗はわたしのことをただの友達としか思ってないんだよね……