種火 玖 ☆* ページ9
*
「A、お疲れ様」
俺はひと仕事終えたAの背中を、後ろからそっと抱き締めた。
俺の手にAの柔らかい手が重なる。
ふわと甘い香りが鼻孔をくすぐった。
「あら、杏寿郎さんも甘えたさんになっちゃいましたか？」
「そう言う訳ではないが……
ほら、疲れただろう？
俺に寄りかかると良い」
Aは、くすくすと笑いながら
「……ありがとうございます」
と言うと俺に寄りかかって頭を俺の胸にすり寄せた。
俺はぎゅうと、その柔らかな体を抱き締め首元に顔を埋める。
「疲れただろう？」
「いいえ、全然」
「夕餉まで少し寝ると良い」
「きゃっ」
俺は彼女を抱き締めたまま、畳にゴロンと転がった。
Aは、俺の腕を掴む手に力をこめると愛しげに子供達を見て目を細める。
「本当に可愛いですよね」
「あぁ、そうだな」
そのまま子供達の寝顔ばかりを見てこちらを見ようともしないAに、その頬に手を添えてこちらを向かせる。
彼女は少し驚いた顔をして、それからクスリと笑った。
「……杏寿郎さんも可愛いですよ」
「むぅ、可愛い、か」
「はい、子供にまでヤキモチ焼いちゃう所とか！
――でも、私が……甘えられるのは世界でただ一人、杏寿郎さんだけですから……
だから……」
そう言ってAは、俺の背中に腕を回すとギュウと抱きついた。
俺もその体をしっかと抱きしめ返す。
Aの頭越しに子供達の寝顔が見えた。
早く、早く大きくなれ。
Aよりも、俺よりも。
俺は君達が大人になった姿を、早く見たいのだ。
目を閉じると瞼の裏には、子供達が炎の舞いを舞う姿が浮かぶ。
きっと、その姿は涙が出るほど美しいに違いない。
子供達はすやすやと眠る。
皆の愛を一身に受けて。
小さな手に、まだ真っ白な未来をギュッと掴んで。
俺達はその側で寄り添って、子供達の寝顔を飽きる事なくずっと見ていた。
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華(プロフ) - 柚葉様、コメントありがとうございます(*´ `)映画を初めて見た時の衝撃は忘れられません。あれから一年を経てやっと遊廓編を楽しみに見る事が出来る私になれたと思います。一年の時間をくれた煉獄さんに感謝と愛を捧げます(*//艸//)♡ (2021年12月24日 23時) (
レス) id: 484f89ba0b (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 私も１年間蹲ってました。煉獄さんは、私の心の中にいつまでも生き続けています💖 (2021年12月24日 19時) (レス) @page14 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
華★ボードにお知らせあります(プロフ) - ビタミンSさん» ビタミンS様、お久しぶりです☺神楽の奉納はきっとこんな感じで行われたんだろうなぁと思いました。炎の舞を二人舞にしたのは願望入ってますが💦千君は絶対神楽を舞うと上手だと思います。いつもありがとうございます💕 (2021年10月2日 9時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ビタミンS - 華さんお久しぶりです!!久々の小説良かったです！やっぱり皆さんが必死で習得した型を舞に変えるとか中々良かったです！炎は魅力的な所もありますね!!まさか双子ちゃんがいたのにもびっくり！ます��賑やかになりますね♪次回も楽しみにしてます!! (2021年10月2日 0時) (携帯から) (レス) id: 8e18fd10fc (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、うわゎラブコールありがとうございますっ♡(๑′ฅฅ‵๑)とっても嬉しいです！不束者ですが宜しくお願いします←そんな風に言って貰ってすっごく嬉しいです(*´ `)わ、私も好きですっ…💕💕 (2021年10月1日 2時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=punishop
作成日時：2021年9月6日 7時
