191 ☆* ページ48
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「はあぁぁ……」
「どうした、煉獄?
地味な顔しやがって」
定時後、帰宅しようと職員室に荷物を取りに行くと、煉獄の大きな溜息が聞こえてきた。
何事かと思って近寄って見れば、睡眠不足なのかその目の下には濃いクマができている。
「……宇髄、聞いてくれるか?
実は……Aに嫌われたのやも知れん……!」
「あ"ぁ?
勘違いじゃねーの?」
「最初は気のせいかとも思ったが、話しかけようとしても逃げられてしまうし、メッセージを送っても返事がそっけない。
ここ数日、明らかに避けられてるんだ……」
煉獄はそう言うと眉尻を下げて、俺の顔を助けを求める様に見上げた。
こりゃあ、かなり重症だ。
「何か心当たりはあるのか?」
「実はな……
先日、校内で……抱いてしまった。
しかも彼女が弱っている所に付け込んで。
いや、勿論そう言うつもりではなくて、神明に誓って
煉獄はそう言うと、ハッと息を呑む。
「……もしかしたら、合宿の時の事が原因か?
いいや、花火大会の日の事やも知れん?
嫌がってそうには見えながったが、実は嫌だったとか……
むぅ……考えれば考える程、何もかもが駄目だった気がする」
煉獄は愕然とした顔をして頭を掻きむしり、そのまま頭を抱えて机に突っ伏してしまった。
この男、堅物に見えてAにしっかりと手を出しているらしい。
しかも、何度も。
俺はニヤリと笑うと、煉獄の肩をポンと叩いた。
「気にするな、男なら惚れた女に触れたくなるのは極めて正常な事だ!
堅物なお前もAの前では、ただの男だったという訳だ。
俺は安心したぞ!
で、お前らどこまで進んだんだ?
避妊はちゃんとしたか?」
「ひ、避妊!
俺は教師で、彼女は生徒だ!
俺がそんな事をするはずが無いだろう!
せ、接吻をしただけだ!」
「なんだよ!
キスだけかよ!」
煉獄は真っ赤な顔で机をドンと打ち鳴らして否定する。
俺は今時キス位で顔を真っ赤にする可愛らしい男を眺めて、溜息をついた。
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華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、いつもコメントありがとうございます(*´ `)うわああぁ、そんなふうに言ってもらってすごく励まされます!これからも拙い文章ですが是非是非よろしくお願いします!(*´艸`*) (2021年9月17日 3時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 おはようございます!華様の情景が浮かぶ様な素晴らしい話、本当大好きです!!長いなんて思わないくらいいつも楽しい読ませて頂いてます\(//∇//)\ お忙しいのに、いつも更新ありがとうございます!! そして、煉獄先生ー。がんばれー!!次も楽しみです!! (2021年9月16日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)先生はきっと大正軸より少し歳上なので、中身は大人のイメージです。ゆい様の元気の元になれましたか?(*´∀`*)こちらこそありがとうございます!! (2021年9月9日 18時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 夢主ちゃん、よかったですーやはり、先生は頼りになってかっこいいし、ステキです。、、、最後のムフフな展開もドキドキですーー。今日は仕事がんばろーって、思えました!!ありがとうございました!行ってきます!!(*^ω^*) (2021年9月9日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)連れ去るのも良いけど、夢主ちゃんはきっと最後まで仕事をやり遂げたいだろうな、でも心配だから見守るんだろうな、と言う感じです(*´艸`*) (2021年9月2日 21時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=punishop
作成日時:2021年3月29日 8時