【キメツ学園】ハッピーエンドのその後は４【煉獄杏寿郎】

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*


「……！！」

　飛び起きてあたりを見渡すと、まだ窓の外は薄暗い。

　夜明けまでは、もう少し時間があるようだ。

　胸に手を当てると、鼓動がとんでもない事になっていた。


　そりゃそうだ。

　昨日の夢は、『初夜』だったんだから。


　この間ファーストキスを終えたばかりの私には、コレはあまりにも刺激的過ぎる内容で、私は布団の中に潜り込んで頭を抱えた。


　どうしよう。

　今日は先生の顔を見る事ができる気がしない。

　いや、それだけじゃない。

　人に会う事すら恥ずかしい。


　そりゃあ、前世は夫婦だったんだからそんな事もあっただろうけど……

　ギュッと目を閉じると、昨夜の先生の表情や囁き声、そんなアレコレを思い出してしまって、慌てて頭を振った。


　せめてもの救いは、『私』が目をほとんど閉じていた事と、『感覚』が無い事だ。

　要は映画と同じ……なのだけど。


　時たま視界に入ったシーンだけでも十二分に刺激的過ぎて、私はぎゅっと目を閉じて布団に包まる。


　どうしたら良いんだろう。


　……結局私は、それからまんじりともせず起床時間までを過ごした。


◆


　無駄に早起きした私は、お母さんと話す事すら気恥ずかしくて、バタバタと家を出た。


　学校に着いて、浴衣に着替えバタバタとお店の開店準備をしていると、気分も紛れて少し落ち着いてくる。

　炭治郎君が販売用のパンを持ってきてくれた。

　炭治郎君の厚意で、予定量より多めのパンが運び込まれて、教室にパンの美味しい匂いが広がる。

　それをレジ近くにセッティングして、飲み物のペットボトルを持ち寄ったクーラーボックスに入れて準備した。


　パンと飲み物だけの簡単な喫茶店。


　価格も計算を簡単にする為に、パン一個に付き100円、ドリンクも一杯100円。

　複雑な作業は無いから、あまり忙しくはならないはずだ。


　今日の予定は、午前中はクラスで販売のお手伝い、午後は部活の出し物のお手伝いをする予定。

　クラスの男の子達は校内でチラシを配ったり、呼び込みをしたり、汚れたトレイを洗ったりと裏方を頑張ってくれることになっている。


　開店時間になる頃には、竈門ベーカリーのファンの口コミと優秀な呼び込みスタッフのおかげで、教室の入り口には沢山のお客様の列が出来ていた。

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