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*


「ふふっ」


 優香ちゃんは、とてもご機嫌だった。

 先生の後ろから覗きこんだ男子部屋の中で、ぼさぼさ頭の萩原先輩が枕に抱きついて眠って居たのを見れたからだ。


「あの寝顔は可愛かったよね。

 写真撮りたかったなぁ」


 優香ちゃんは、そう言ってくすくすと肩を揺らす。


「良かったね、Aちゃんも。

 煉獄先生のお風呂上がりが見れて」

「……えへへ、まぁね」

「わぁ!

 Aちゃん、赤くなってる!」


 照れ臭くて、頬を赤らめる私を優香ちゃんが揶揄う。


 朝食も食べたし、片付けもした。

 合宿も、もう終わり。

 あとは、家に帰るだけ。

 ちょっと寂しいな。


 昇降口を出てグラウンドから校舎を見上げると、社会科準備室の窓が開いてて、中のカーテンがゆらゆらと揺れているのが見えた。


「……優香ちゃん、先輩と帰るんだよね?」

「うん、でもAちゃんも一緒に帰ろうよ!」

「ありがとう。

 でも私ちょっと忘れ物しちゃって、取りに戻るから先に二人で帰って。

 じゃあ!」

「気を使わなくてもいいのにぃ」


 私はそう言うと、優香ちゃんに背中を向けて校内に戻る。


 帰る前に、もう一度先生に会いたい。

 その衝動が私を突き動かす。


 靴を履き替えて、はやる気持ちのまま階段を駆け上がり、しんと静まりかえった廊下を早足で社会科準備室へと向かう。

 社会科準備室の前に立った私は、深呼吸をしてから扉をノックした。


 コンコン


「失礼します……」


 そっと扉を開くと、先生の金色の髪が机の影でピョコンと揺れて、嬉しそうな笑顔が現れた。

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設定タグ:キメツ学園 , 煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、いつもコメントありがとうございます(*´ `)うわああぁ、そんなふうに言ってもらってすごく励まされます!これからも拙い文章ですが是非是非よろしくお願いします!(*´艸`*) (2021年9月17日 3時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 おはようございます!華様の情景が浮かぶ様な素晴らしい話、本当大好きです!!長いなんて思わないくらいいつも楽しい読ませて頂いてます\(//∇//)\ お忙しいのに、いつも更新ありがとうございます!! そして、煉獄先生ー。がんばれー!!次も楽しみです!! (2021年9月16日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)先生はきっと大正軸より少し歳上なので、中身は大人のイメージです。ゆい様の元気の元になれましたか?(*´∀`*)こちらこそありがとうございます!! (2021年9月9日 18時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 夢主ちゃん、よかったですーやはり、先生は頼りになってかっこいいし、ステキです。、、、最後のムフフな展開もドキドキですーー。今日は仕事がんばろーって、思えました!!ありがとうございました!行ってきます!!(*^ω^*) (2021年9月9日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)連れ去るのも良いけど、夢主ちゃんはきっと最後まで仕事をやり遂げたいだろうな、でも心配だから見守るんだろうな、と言う感じです(*´艸`*) (2021年9月2日 21時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=punishop  
作成日時:2021年3月29日 8時

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