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私達は合宿所の部屋に戻ると、寝支度をして二つ並べたお布団にゴソゴソと入った。
友達と過ごす夜は、すっごくワクワクする。
お布団に潜って、優香ちゃんと先輩のお惚気話を聞いたり、どこのリップが発色が良いとか、今度出来たカフェのケーキが美味しいだとか、そんな話を沢山した。
「……あのさ、聞きたい事があるんだけど……
Aちゃんってさ……」
ふいに優香ちゃんが、言いにくそうにそう切り出した。
「ん? なぁに?」
「Aちゃんって、煉獄先生の事好きだよね?」
「ん"んっ!?」
私が驚いて優香ちゃんの顔を見ると、優香ちゃんはこちらをじっと見ている。
これはもう、誤魔化せそうに無い空気だ。
煉獄先生と秘密にするって約束したから、本当の事を全部は言えないけど、私も優香ちゃんに出来るだけ嘘をつきたくなかった。
――先生との事は言わないから、私が先生を好きって事くらいは話しても良いよね?
「……うん」
「やっぱりねぇ。
でも、煉獄先生は高橋先生と付き合ってるみたいだから、このままだと辛い事になるかも知れないよ」
「諦めようとした事もあったけど……出来なかったんだ」
「そっか……
私はAちゃんに辛い想いはして欲しくないから、彼女持ちの男はやめた方が良いと思うけど……
でも、いつもAちゃんの味方だから!
何でも相談してね!」
「……ありがとう!
すごく嬉しい!」
優香ちゃんの優しさがすごく胸にしみた。
先生以外にはじめて気持ちを話す事が出来て、少し心が軽くなる。
「優香ちゃんも、何でも話してね。
惚気も愚痴も相談も、何でも任せて!」
私達はそれからも夜遅くまで沢山お話をして、それから眠りについた。
◆
静かな和室の中。
針仕事をする私。
すぐ後ろの布団には、眠っている貴方。
突然背中から優しく抱き締められて、背中から伝わる貴方の熱に胸が高鳴る。
見つめ合う瞳、絡まる視線。
そして、優しく重なる唇。
――あなたの腕の中で、私の胸は激しく鳴り響いた。
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華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、いつもコメントありがとうございます(*´ `)うわああぁ、そんなふうに言ってもらってすごく励まされます!これからも拙い文章ですが是非是非よろしくお願いします!(*´艸`*) (2021年9月17日 3時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 おはようございます!華様の情景が浮かぶ様な素晴らしい話、本当大好きです!!長いなんて思わないくらいいつも楽しい読ませて頂いてます\(//∇//)\ お忙しいのに、いつも更新ありがとうございます!! そして、煉獄先生ー。がんばれー!!次も楽しみです!! (2021年9月16日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)先生はきっと大正軸より少し歳上なので、中身は大人のイメージです。ゆい様の元気の元になれましたか?(*´∀`*)こちらこそありがとうございます!! (2021年9月9日 18時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 華様 夢主ちゃん、よかったですーやはり、先生は頼りになってかっこいいし、ステキです。、、、最後のムフフな展開もドキドキですーー。今日は仕事がんばろーって、思えました!!ありがとうございました!行ってきます!!(*^ω^*) (2021年9月9日 8時) (レス) id: c872c7d816 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ゆいさん» ゆい様、コメントありがとうございます(*´ `)連れ去るのも良いけど、夢主ちゃんはきっと最後まで仕事をやり遂げたいだろうな、でも心配だから見守るんだろうな、と言う感じです(*´艸`*) (2021年9月2日 21時) (レス) id: e9517aa429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=punishop
作成日時:2021年3月29日 8時