白鯨の翼 (ページ8)

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【マルコ視点】

マルコ「む、息子って…！」

こいつは今まさにあんたの命を狙ってたんだぞ
そんなやつを船に乗せるなんて
何考えてんだオヤジ

ベイ「そうは言っても、気失ってるわよこの子」
白ひげ「拾っていってやれ」
ラクヨウ「しょうがねえやつだな」
ベイ「まったく…、マルコ！」
マルコ「イッ…なんで俺なんだよい！」
ベイ「見たところあんたと年が近そうよ、面倒見てやりな」
ラクヨウ「よかったじゃねえか、後輩ができて」
マルコ「よかねえよい！」

冗談じゃねえ
偶然かもしれねえがさっきこいつは完全にオヤジの攻撃を見切ってた
そんな危なっかしい奴の面倒なんて、何も嬉しくねえ

ビスタ「しかしオヤジ、さっきのは…」
白ひげ「ああ、ありゃ見聞色だな」
ラクヨウ「はぁ？！こんなガキが覇気だと！」
白ひげ「暮らしてる場所がここじゃあ、嫌でも身につくだろうよ」
ベイ「へえ、鍛えればあんたより強くなるかもねえマルコ」
マルコ「な！何言ってんだよい！こんなやつに負けるわけねえだろ！」

気乗りしねえ新入りを渋々船まで運ぶと、今度は手当てまでしてやれと言われた
本気で俺に全部任せるつもりかよ

ビスタ「空き部屋があったはずだ、少々埃っぽいがな」
マルコ「どこでもいいだろうよい」
ビスタ「大きな傷は無さそうだが…体の方も診てやった方がいいだろうな、骨が折れてる可能性もある」
マルコ「わーかったよい、やりゃいいんだろ、やりゃあ」

他人事だと思いやがって
それにしてもこいつ、俺がつけた傷以外にも治ってねえのがいくつかあるな

…とりあえず全身診といてやるか、ついでだ
服は…いちいち脱がすのも面倒だし切っちまおう
どうせ誰かが自分のをやるだろ
最悪俺のをやりゃ、いい…し…………？

は………？おい、なんだこりゃ

待て待て待て、待て！！！
とりあえずベイだ！ベイを呼ばねえと！

マルコ「べ、べ、ベイ！！ベーイ！！！どこだぁ！」
ベイ「うるさいねえ！1回で聞こえてるよ！」
マルコ「ベイ！よかった！来てくれ！早く！」
ベイ「なんだってんだいまったく！」
マルコ「あ、あいつ！お、おん！」
ベイ「はぁ？ちゃんと喋りな！」

慌てて部屋を飛び出したせいで息が上がって上手く喋れねえ
ベイにしか言えねえよこんなこと

マルコ「お、女なんだよい！あいつ！女！」
ベイ「…はあ？！」