白鯨の翼 (ページ46)

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1.夕食ー現在ーページ46

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『ただいま』
マルコ「おかえり」
『いい匂いだな』
マルコ「ああ、もうすぐできるよい」

夕食の匂いが疲れた体に染み渡る
今日は久しぶりに運動もしたから余計に

マルコの飯は意外と美味しい
それを知ったのはこの島に住むようになってから
この男についてまだ知らないことがあるとは思わず、正直驚いた

マルコ「昼間海賊船が来たって？」
『なんだ、知ってたのか』
マルコ「あれだけ爆音なってりゃ誰でも気づくよい」
『人が普通の服来てる時に来ないでほしいよほんと』
マルコ「戦闘服でもお断りだよい」
『アッハッハ、違いない』
マルコ「それで、宝は？」
『ちゃんと奪ってきた、うちの裏手に積んである』
マルコ「そりゃ上出来だよい」
『久しぶりに悪魔って言われたよ』
マルコ「失礼な話だな、お前のモデルは天使だってのにねい」
『まったくだ』

私の能力は超人系(パラミシア)ハネハネの実、モデル天使(アンゲルス)
名前の通り姿形は天使そのもの
普通なら天からのお使いと崇められて然るべきだが、私の羽は黒かった

前任者を知らないからそれが本来の姿なのかどうかはわからない
でも、黒い羽背負った人間なんて、敵からすれば悪魔に見えて当然だ

『いつんなったら崇めてもらえるのかね』
マルコ「ハッハッハ、海賊をか？そんなやついねぇに決まってんだろい」
『そうか？私は崇めてるぞ』
マルコ「へえ、お前にそんな信仰心があったとはな」
『神なんてちんけなもんよりもっと偉大さ』
マルコ「妬ける話だ、誰だよい、そんなにお前を魅了してんのは」
『お前もよく知ってる人だぞマルコ』
マルコ「そりゃ奇遇だ、俺にも1人そう言う人がいる」

どうせ2人とも同じ人を思い浮かべてる
私達がこの世界で唯一信じるのは

エドワード・ニューゲート

全てを与えてくれた愛する父親
姿形を失って尚、その気持ちは揺らがない
あの人以外に神なんていない
いたとしたらそりゃ真っ赤な偽物だ