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ベイ「ビスタ、いる？」
ビスタ「ああ、ベイか」
ベイ「あんた今月書庫番よね？」
ビスタ「そうだが？」
ベイ「悪いけどAも一緒にやらせてやって」
いつも通り起こしに来たベイに連れられてきたのは、大量の本が並ぶ部屋
そこにいたのは屈強な体に青い服
切り揃えられた前髪が印象的な男
手配書で見た顔だ
『ビスタ？』
ビスタ「お、俺を知っているのか」
『あってるか？』
ビスタ「ああ、その通りだ」
『ベイが教えてくれた』
ビスタ「お前はAだな」
『うん、よろしく』
ビスタによると、書庫番は他の作業よりも暇らしい
誰かが持っていって、適当に返された本をひたすら元の場所に戻すだけ
単純作業だが、文字を読めない俺からすると何より難しい
ビスタ「なんだってベイは1番気が乗らない書庫番を…」
『俺の練習のためだと思う』
ビスタ「練習？」
『文字が読めねえから』
ビスタ「そうか、なら最初は何もわからないだろう、なんでも聞けよ」
『わかった、ありがとう』
ビスタは言葉の通りなんでも教えてくれた
俺より4つ年上だそうで、その見た目の割に優しくて、丁寧な話し方をする
ビスタ「Aは飲み込みが早いな」
『そうか？言われたことねえや』
ビスタ「ああ、ちゃんと読めるようになったらもっとたくさんのことを知れるようになる」
『うん、俺新聞を読めるようになりたいんだ』
ビスタ「物語とかじゃないのか、現実的だな」
『物語なんかよりずっと、おもしろいよ』
この間のマルコの話だってそうだ
空想の世界なんて比にならないほどこの世界はおもしろい
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作者名：桜 | 作成日時：2024年8月16日 19時
