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「僕は遠月を、あるべき姿へ正しに来たのです。」
異様な空気が立ち込める店内。
そんな中、薊は淡々と言葉を紡ぎ始める。
「"真の美食"…それはちょうど優れた絵画や彫刻、そして音楽に似ている。
あらゆる一流芸術の真の価値は、品格とセンスを備え、正しく教育された人間にしか理解できない。
その他の大衆は上流で決定された価値を有難がり、訳もわからず群がっているだけだ。
"真の美食"もそういうものだ。限られた人間だけで価値を共有すべきものだ。それこそが料理と呼ばれるべきもの…
それ以外は"料理"ではない。
……"餌"だ」
そんな薊の言い分に、場は依然として静まり返っている。
しかし数人の美食家たちが声を上げた。
「ご高説痛み入るけど…貴方が何を仰ろうと詮無き事ですわ。」
「そうよ！遠月を動かす権限は今の貴方には一切ないのだから！」
そんな反論の声にも、薊は余裕の笑みを浮かべている。
「そうでしょうか？」
そしてえりなに視線を向けてこう呟いた。
「血は確かに其処にある、そして教育もだ…」
それを受けたえりなは、恐怖のあまりビクッと肩を震わせた。
「さぁえりな…君がどれだけ腕を磨いたか見せて欲しい」
「で…ですから！飛び入りのお客様はお断りしておりますので…」
「テーブルがひとつ空いてるじゃないか。」
そんな緋沙子の必死の制止も聞かず、薊は空席を見つけて歩みを進める。
「お、お父様！…あの席は……」
そこは、えりなにとって憧れの料理人である"才波さま"のために用意された特別な席であった。
"よおし…君がいい料理人になった時、ご馳走になるとしよう！"
そんな憧れの人から貰った言葉が、えりなの脳内に甦る。
しかし無惨にも、薊はその席に平然と腰を下ろした。
「まずはワインのリストを」
「えりな」
「これ以上僕を待たせるのかい」
「父は空腹だぞ」
「早く何か食べたいな」
そして淡々と突き刺さるその言葉の数々に、えりなの震えは最高潮に達していた。
するとその時、入口の扉が開かれた。
「よう薙切ぃ！席空いてるー？」
そして店内全員の視線が、開け放たれた扉に集まる。
「なー薙切ぃ！飛び入りでなんとかお前のメシ食えねーかな？」
『もー無理言わないの！えりなごめんね…って、
……あれ？』
優雅な店内にそぐわぬ張りつめた空間。
その異様な空気にAは思わず首をかしげた。
そんな中、声を上げたのは意外な人物だった。
「………雫…」
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篠。(プロフ) - ゆかりさん» タクミくんもカッコいいですよね〜(*´ー｀*)後に活躍してもらいますね！！笑 (2019年9月17日 15時) (
レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 篠。さん» タクミくんとの絡みもきになるところです！ (2019年9月16日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» これからオリジナル要素が濃くなるので、原作と流れは同じですが、表現の方法や原作に描かれていない場面の設定などによって、見え方が変わってくると思います！楽しんでいただけると嬉しいです(*´・∀・｀*) (2019年9月14日 19時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 原作と少し違うのが良いです！ (2019年9月13日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» ふふ、気合い入れて頑張りまーす(*￣ー￣) (2019年9月8日 22時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠 | 作成日時：2019年6月15日 23時
