14-11 ページ13
「ダメだな。クオリティが低い。」
四宮が呟いたまさかの言葉に、Aたちは呆然としてしまう。
しかし、その言葉には続きがあった。
「このままだったら…な。
将来お前らが持つチンケな店になら置いても構わないかもしれないが…四宮小次郎の店で出すには少々お粗末って事だ。」
『……?』
「だが…まぁ、俺だったらこうするってのを叩き込む事は出来るが………どうする?」
『「お願いしますッ!!」』
そう言って笑いかける四宮に、二人は間髪いれずに返事をした。
そしてその後、四宮が直々に特訓をしてくれた。
それが終わる頃には、すでに太陽が登り始めていた。
「やーホントにすんません、朝まで教えてもらっちゃって。」
「ふん、お前らの覚えが悪かったからだ、特に幸平のな?」
『本当に、ありがとうございました!』
そして二人は改めてお礼を伝えると、顔を見合わせて満面の笑みでこう言った。
『「四宮師匠!!」』
「?!やめろ!だ…誰が師匠だ!」
「師匠!」
「師匠ダッテ〜」
そんな突然の師匠呼びに盛り上がる一同だったが、やがて別れの時がやってきた。
『それでは、一週間お世話になりました!』
「あざっした!」
そう言って背を向けてゆく彼らに、四宮は声をかけた。
「……A、
…フランス料理に興味はないか?」
その突如投げ掛けられた言葉に、Aはきょとんと首を傾ける。
『…ありますよ?
よくお世話になってる先輩もフランス料理が得意なので、前からとても興味がありました!』
「……先輩…か」
『はい!三年生の先輩なんですけど…
ってすみません、師匠の聞きたいこととズレちゃいました?』
「いや、大丈夫だ…」
そう言うと四宮は、焦るAにふっと小さく笑ってみせた。
"俺は一体、Aに何て答えて欲しかったんだ…?"
そんな微かに芽生えたAへの気持ちを、四宮はそっと胸に閉まう。
そして改めて、四宮は二人に向かって言葉をかけた。
「獲れよ、第一席!」
『「はい!」』
それから間もなくして、SHINO'sTOKYOはグランドオープンを迎えた。
「妻にはこのコースを…私はもう一品ほど欲しいんだが…何か面白い品はあるかな?」
「そうですね…
自信を持ってオススメ出来る料理が…ひとつございます。」
そう言うアベルが示したメニューは…
"うずらの詰め物 トマトリゾットと卵〜生意気兄妹風〜"
幸平創真、一ノ宮A
第二のスタジエール、合格である。
297人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» タクミくんもカッコいいですよね〜(*´ー`*)後に活躍してもらいますね!!笑 (2019年9月17日 15時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 篠。さん» タクミくんとの絡みもきになるところです! (2019年9月16日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» これからオリジナル要素が濃くなるので、原作と流れは同じですが、表現の方法や原作に描かれていない場面の設定などによって、見え方が変わってくると思います!楽しんでいただけると嬉しいです(*´・∀・`*) (2019年9月14日 19時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 原作と少し違うのが良いです! (2019年9月13日 22時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
篠。(プロフ) - ゆかりさん» ふふ、気合い入れて頑張りまーす(* ̄ー ̄) (2019年9月8日 22時) (レス) id: 77342cf851 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:篠 | 作成日時:2019年6月15日 23時