ふかさわくん２【紫】

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熱気に包まれたグラウンドはたくさんの歓声が飛び交っている。


パンっとスタートの音が聞こえ、一気にグラウンドが盛り上がる。




「うちのクラス二位じゃん！しかもこの前と同じじゃない？」

「ほんとだ、」



この前の体育の時のリレーと同じく、となりのクラスに差をつけられているわたしたちのクラス。


そして、深澤くんにバトンが渡る。




「きた！ふっかいけ！」




となりでハルが大きな声で叫ぶ。

わたしも深澤くんを目で追うと、前と同じようにどんどん差を詰めていく深澤くん。




「ほら、Aも！」




ハルにぽんっと背中を叩かれ口を開く。




「ふ、深澤くん、頑張れ……！」





勢いよく目の前を通り過ぎさった深澤くんに届いたどうかは分からない。


抜かせ抜かせと願いながら深澤くんを目で追っていると、最後のカーブで深澤くんが相手の前を出た。




「ヤバい！一位だよ！」



す、すごい……


そして深澤くんは次の人にバトンを渡し、そのままうちのクラスは一位でゴールした。




「やったー！一位だよ！」

「やったねハル！」




興奮のあまりハルとその場で抱き合う。

他のみんなも大盛り上がりで、退場したメンバーを迎えた。

大活躍した深澤くんにみんなが「すごい！」「やるじゃん！」と声をかける。




「ふっかやるじゃん！まじで見直した！」



ハルは深澤くんの肩をバシバシ叩きながら褒める。

いや、叩いてちゃ褒めてるのか褒めてないのか分かんないよ。


そんなハルに「痛ぇから！分かったから！」と笑う深澤くん。

さっきまでの真剣な表情とは正反対だけど、ふにゃりと笑うその顔にわたしも自然と頬が緩んだ。

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