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「A」
結局、寮へ帰ったのは深夜頃だった
それがダメだったのか、それとも俺が帰るのを待っていたのか自室のドアのぶに触れたタイミングで声をかけられる
今一番に顔を見たくない奴
『…何?』
「話がしたい」
『話なんてないよ』
「ねぇA」
『だからお前と話すことなんて』
「俺のこと、嫌い?」
弱々しい声が注がれる
いつも威勢を張ってる負け知らずのこいつからは考えられないほどの音に少し指が動いて俺は手を一度ドアから離し、顔を悟の方へ向ける
声と同じく情けない表情
「俺と過ごした時間は楽しくなかった?俺は邪魔だった?」
『…』
「全部、お前の本当はなかったの?一つもお前の愛は無かったの?俺と過ごす毎日が全部っ」
『うっさいな!!!』
ごちゃごちゃうるさい
この際だ言ってやろう
俺は一切、お前のことなんか好きじゃ無かったと
全部全部嘘の愛で、お前の好きな俺を演じてたって
『ムカつくんだよ、純愛みたいに語りやがって
全部嘘だよ。お前が欲しがってたからそれに答えてやっただけだ!
愛してるわけねぇだろ、気づけよッ
俺の言葉で嬉しそうにしやがって、幸せそうにしやがって』
ムカつく、ムカつく
呑気に愛されてるなんて勘違いして
疑わずに愛に浸って
ずっとそれが続くだろうなんて思い込んで
鼻の奥が痛い
ツンとして、目の前が揺らぐ
ダメだ
ダメだ
声を荒げた
もう俺に関わらないように
嫌われるように
「それでも、俺はお前が好きだよ」
甘ったるい声、なぜだかあの日の自分と重なった
__それでも俺は、お前が好き__
・
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優しくないよ(プロフ) - りくさん» あざっす (2021年5月11日 15時) (レス) id: b2e5f18bf2 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 完結おめでとうございます。 (2021年5月11日 15時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
るるるs - 続きが読みたい (2021年3月3日 4時) (レス) id: 7f6b75982b (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年2月27日 16時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優しい作者じゃないです。 | 作成日時:2021年2月26日 3時