讐-ada- (ページ34)

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あの場所から1秒でも早く抜け出したくて楽屋をでた。

特に行く当てもなく、誰もいないであろう屋上へやってきた。

楽屋を出たとき、SixTONESのメンバーと出くわし樹くんに名前を呼ばれた気がする。

樹くんには申し訳ないが答えられる余裕もなく無視してしまった。

そんなことよりも、ずっと一緒にやってきたメンバーからあんなふうに思われていることがショックでしかたなかった。

こんなことで泣きなくなかったけど、涙が止まらずに溢れてくる。

北「Aさんっ…」

『北斗くん…』

急いで涙を拭う。

＊＊＊

北斗side

あれからSnowManの楽屋を出てAさんの姿を探したがなかなか見つからない。

で、ようやく屋上で見つけた。

北「探しましたよ、」

『また、やられちゃった笑』

北「無理して笑わないでくださいっ」

『わざわざ探しに来てくれたんだね、ありがとう』

北「瑞貴さんの仕業ですよね、」

『うん…それにまさかメンバーに手あげられるなんて思わなかった』

手をあげられた？

言われてみるとAさんの頬が少し腫れている。

北「もう社長か誰かに言いましょう。こんな辛そうな姿、見てられないですよっ」

『ううん。まだ言えない。ちゃんとした証拠がないと、きっとまた嘘つかれてこっちが悪者になっちゃうし』

北「でもっ…」

『私は大丈夫だから、ね？』

辛そうに笑う姿を見ると、心が痛む。

それと同時に瑞貴さんへの苛立ちで頭がいっぱいになった。

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