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112話 ページ13

月見side


「貴方に屑と言う権利はどこにも無い。岳斗を何一つ知らないくせに、勝手なことばかり言わないで……!!」

岳斗をこの人に貶されるのが許せなかった。
本人の事をよく知らないで、勝手な理屈で岳斗を屑呼ばわりする、奥底から激しい憎悪と怒りが沸き立つ程に私はそれが許せなかった。

「それがお前の本音か。やはり変わらないな……お前もあの闇ブレイダーどもと変わらない、人殺しの目だ」

大鎌を首に突きつけられてるにも関わらず、表情一つ崩さず淡々と話す。

「スピード、反応速度、そこら辺の実力は評価してやろう。流石闇の死姫(ダークデスプリンセス)と呼ばれているだけはある。だが……」

私が瞬きを一度した瞬間、十文寺 出流の姿は目の前から消えていた。

そして、降ろしていたはずの右腕はいつのまにか十文寺 出流に掴まれており、右手に付けていた黒い手袋は十文寺 出流の手の中にあった。

「それでもお前は、俺より劣っている」

一瞬にして息詰まり、掴まれた右腕には粘りの付いた泥のようなヌメッとした感触が伝わる。

「触らないでっ!!」

青ざめた表情を浮かべながら、私の右腕を掴んだ手を振りほどき、右手を隠すように左手で覆う。
息を整えようとするが、私の一番思い出したくない記憶がフラッシュバックし、一気に吐き気が催してきた。

「うっ……!」

男に腕を触られた、気持ち悪い、吐き気がする。気のせいなのはわかってるはずなのに、粘液の様な感覚がまだ残っている。早くこの感触を洗い流したい、気持ち悪い……気持ち悪い……!!

「男性恐怖症はまだ治っていないか……にしても、その右手の物はいつ見ても醜いものだな。まるで化け物の様だ。いや……そうでなくても、お前は男を誑かす化け物に変わりはないか」

「っ……」

言葉一つ一つが鋭利な刃の様に私の心を傷つける。
反論することなんて出来ない、出来る余裕なんてない。私は男性に触られた恐怖で頭がいっぱいだ。

「貴様のその一面が見ることが出来た、今日はそれで十分だ。天空寺 月見、今一度考えろ、誰のお陰でお前がここにいるのかをな」

それだけ言い残し、私の黒い手袋を置いてその場から出て行った。
私はヘタリと床に座り込み、自分の右手を見つめた。

私だってこんな風になりたかったわけじゃない。でも……もう、私は生まれた時からこうなるしかなかった。

「やっぱり私は……穢れてる……」

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作者名:赤猫 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月22日 9時

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