80話 ページ31
岳斗side
「このリクトル量……危険度レベルがA級ぐらいじゃないと、ここまで大きくならないわ」
確か、A級は国一つを滅ぼせる力を持った上位魔隆。C級やB級とは桁違いの力と能力を持つ化け物……
「てことは……今度はそんなバケモンと戦わなきゃなんねぇって事かよ……！！ 」
流石の俺もこいつとのレベルの差があまりにもあり過ぎることを察した。
魔隆から放たれる禍々しい覇気、全身を焦がす様な大きなリクトル、そして鬼の様なその姿が、今の俺達には敵わない相手ということを物語っていた。
「ウォォォォオオオオ！！！！！ 」
両手を組んで上に振り上げると、ハンマーの様に拳を地面に叩きつけ、大きなヒビが入り、地面がその衝撃で浮き上がる。
「うわぁっ！！ 」
「なんて怪力でござるか！！ 」
「何っ！？ 何なのあれ！！ 」
戸惑っている中、永也とセシルは崩壊して渡りづらくなった足場を上手く飛び移って行く。
「！ 何をやっている！！ 新垣、アルフォワード！！ 」
「聖を傷つけさせない……！ ミストギア！！ 」
魔隆の目に向かってミストラスダガーを二本放つと、ミストラスダガーは気体の様に白くなり、二本のミストラスダガーは魔隆の視界を遮る霧となる。
視界を奪った隙を見て、永也は高く飛び上がり、右腕を黒く大きくさせる。
「みんなに手を出すな……！！ 」
魔隆の顔目掛けて拳を放ち、大きな衝撃音が響く。
だが、魔隆の顔にはダメージは通っておらず、殴った風圧で霧は払われ、魔隆は永也の事を見ていた。
「！ 効いてない……！？ 」
無傷でいることに永也は驚きの表情を見せた。
永也の力は恐らく俺達の中で1番強い、しかも自分より大きい魔隆ですら1人で潰したほどの威力だ。視界もセシルの能力で奪われたから塞ぐことも出来ないはずだ。
「永也の攻撃が通じてねぇって事は……普通の魔隆の数倍は硬いって訳か……！！ 」
魔隆は口角を少し上げ、背中から生えた左腕で永也を力強く掴む。
「ぐっ……！ 」
「笑ってる……まさか、知能があるのか……！！ 」
永也はボールを投げる様にセシルの方へと投げられ、セシルと永也の身体がぶつかり合い、その場に倒れる。
そしてすかさず、追い討ちをかける様に二人の足を掴み、隕石が落ちるかのごとく、二人を地面に叩きつけ、地響きを起こした。
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