66話 岳斗side ページ17
岳斗side
「はぁぁぁ……だっりぃ……」
学校の授業が終わった後の休み時間、俺は自分の机に伏せ、ぐでっと伸びていた。
「おーおー、結構お疲れな感じじゃねぇか」
「最近、魔隆と戦ってばっかだもんね……」
「初任務から1週間も経ったけど……雑魚魔隆と戦ってばっかなんだよ……もうちょい手応えのある魔隆と戦えねぇのかよ」
「仕方ないわよ。D級ブレイダーは1〜30までの魔隆としか戦えないのだから」
3人で話してる横から月見が本を読みながら話に入ってくる。
「そうですよねー！ 流石天空寺さん、わかってらっしゃる！！ 所で何の本を読んで____」
「近寄らないで、貴方に話しかけていないわ」
月見に話しかけられ嬉しそうに鼻を伸ばしながら貴史は近づくが、呆気なく月見に一刀両断され、ショックで自分の席に戻って顔を伏せてしまう。
「あーらら、またフラれちまったな」
「うるせぇ……！」
「あはは……でもさ、岳斗君達が一緒に居てくれるから、僕も最下級魔隆とも戦えるんだよね」
「何言ってんだよ聖、お前は俺よりもブレイダー歴が長いんだから、雑魚魔隆なんてどうって事ねぇはずだろ？」
「……いや、それがそうでもないんだよね」
聖は視線を少し逸らし、悲しそうな笑みを浮かべる。
「僕って、ブレイダーの中でも最弱なんだ。ブレイダーランキングでもいつも1番下だし……昔はそんなんじゃなかったんだけどね」
聖は苦笑いをするが、どうにもその笑顔が貼り付けた笑顔にしか見えなかった。
「お前……」
「……そんな事より、二人共、自分の鞄を見た方がいいわよ」
「はぁ？ 鞄？ 」
月見に言われた通り、俺と聖は鞄を見ると、机のフックに掛けられていた鞄はガサゴソと何かひとりでに動いていた。
何か嫌な予感がし、急いで鞄のチャックを開けると____
「プハッ！ やっと出れたのだ！！ 」
「ソ、ソラ！？ 」
「この中は息苦しいでござるな……」
「シン！？ なんでバッグに……」
俺のバッグの中には、擬態化状態ではない猫状態のソラと、聖のバッグの中にはソラと同じように丸い緑色の猫が入っていた。
「ここに来んなっつったろ！ なんで居るんだよ！ 」
「この中に入ってたらなんだか気持ち良くって、そのまま眠っちゃってたのだ」
「シンも同じでござる」
「えぇ……そんな理由？ 」
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